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【雑記】K-POPアイドルが音楽番組で1位を取ること:“名曲長者”ONFが魅せたBeautifulな世界

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THE SHOW公式ツイートより

2021年3月2日(火)の「THE SHOW」で、ONF(以下、オネノプ)がデビュー後初の音楽番組1位を獲得した。オネノプのデビューは2017年8月2日。本人たちにとっても、またファンにとっても悲願の1位だったと言えるだろう。
しかもこの3月2日というのはONチームのリーダーであるヒョジンくんと、OFFチームのリーダーであるジェイアスくんが(14年前に!?)出会った日というではないか。中学時代からの友人と同期入社で同じグループでデビュー…漫画でもなかなかない設定である。いや現実というから驚きだ。こちらの動画で受賞後のメンバーの様子が字幕付きで紹介されているのでぜひ見ていただきたい。こちらまで涙腺が緩んでしまう…。

今回の1位への意気込みは、メンバーそしてファンダムともに並々ならぬものがあったと思う。Twitterオネノプ応援アカウントさんの熱心な呼びかけを見ながら、私自身もBugsのIDを寄付したりgenieでアルバム音源をスミンしたりYouTubeプレミアムを有効活用してMVをスミンしたり共同購入でささやかながらCDを買ったり、そして事前&リアルタイム投票に参加したりと「どうしても今回の活動曲で1位を取ってほしい」という気持ちが強かった。

私はRoad to Kingdom(以下、ロキン)というサバイバル番組でオネノプに出会ったばかりの新規ファンだが、番組で彼らの曲を聞き、パフォーマンスを見ながら「なぜ今までこんな素晴らしいグループを知らなかったのだろう」と心の底から感じた。それと同時に「ロキンでオネノプを知ることができて本当によかった」とも思った。ロキンについてはたっぷり別の記事で語っているのでここでは割愛する。
ロキンで知名度を上げたオネノプは、8月10日にカムバックをし『Sukhumvit Swimming』で活動をおこなったが、残念ながら1位を取ることはできなかった。実のところその活動では上記に書いたような熱心なスミンや投票はほとんどおこなっておらず、私自身やや後悔が残った。
もちろん、韓国の音楽番組で1位を取ることがすべてではない。それでも活動が何らかの形や記録に残ることはモチベーションに繋がるだろうし、何より本人たちも望んでいたから1位を贈りたいと思った。そのためにはファンひとりひとりが協力しなければならないと感じたのだった。

そして待ちに待った2021年2月24日、オネノプがリリースした今回のタイトル曲『Beautiful Beautiful』はここ最近のK-POPの流れを完全に(いい意味で)無視する独自路線の楽曲で、信頼のMonotreeのファン・ヒョンプロデューサーの作品だ。ファンキーハウスというジャンルに分類されるらしい。

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ファンダム外の人間もこの楽曲の評判は耳にしているだろう。そう、良曲揃い・捨て曲がまったくないと言われるオネノプの中においてもあまりにもよすぎる曲…と言うと大げさだといわれるかも知れないが、実際そうとしか言えないのでそう言っておく。
「Brrram 빠밤 빠밤 빰빰 빰빠밤빠밤 빰」という歌詞とともに始まるパレードのようなイントロ。「気分がよくなる」と表現すればよいだろうか。この疾走感は何度聞いても痛快で、ハイライトメドレーが出たときから予感はあったが、初めてフルで聞いたとき、視界が冴え渡るような、目に映る景色が鮮やかになるような…想像を超えるよさが頭のてっぺんから足のつま先まで染み渡った。オネノプに改めて魅了された瞬間だった。
そう感じた人が少なくなかったことを証明するかのように、なんとMVは約3日間で1,000万再生を突破した。前回のタイトル曲が約5ヶ月かかった*1ことを思うと異常事態である。

『Beautiful Beautiful』のよさを知るには、歌詞も紐解いてみる必要がある。と言っても私は韓国語が分からないので、翻訳してくださっているサイト様の記事を参考にさせていただいた。(参考:Beautiful Beautiful / 온앤오프 (ONF) オネノプ 和訳・日本語訳 歌詞|하네다|note
この曲は「僕の生きる人生の主人公は僕自身」「ナンバーワンじゃなくてオンリーワン」「頑張った自分を褒めよう」「僕たちがすることはすべて芸術で美しい」と、ありのままに自分らしく生きることを肯定し、そんな世界を美しいと言い、窮屈で閉塞感のある毎日から救い出してくれるような内容になっている。
THE SHOWの1位祝福ツイートでは、私が特に好きな部分を抜き出した。(以下のツイートは韓国語歌詞をパパゴで自動翻訳したものだ)

さきほどの参考記事では、その部分はこう訳されている。

全ての人の心には
天の川があるから
闇に打ち勝ったとき涙が流れるんだ
輝かしい星となって

ここで少し個人的な事情を語るのを許してほしい。
私が一番推しているK-POPグループはStray Kidsなのだが、メンバーひとりが活動休止という事態に至る現在の苦しい状況をなんとか乗り越え、日々仕事をし食事をし眠るという日常生活を送るためにこの曲は不可欠だった。
正直、『Beautiful Beautiful』がなかったらこんなふうに落ち着いてPCに向かってブログを書くこともできなかったと思う。紛れもなく私はこの曲に救われた。だからこそ絶対に1位を取ってほしかったし、こんなに魅力しかない楽曲が評価されないなら私はK-POPなんてもう知らんぞ!という気持ちにもなった。

話をオネノプに戻そう。1位を獲得したときの動画が番組公式YouTubeチャンネルにアップされているので改めて見てみたが、メンバーの切実な思いが伝わってくるようだ。

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冒頭でオネノプは2017年デビューと書いたが、彼らがこの1位を獲得するまでの道のりは決して平坦ではなかった。
そもそもデビューまでの練習生期間が長いメンバーが多く(長年のファンの方が「平均6年」と書かれていてビックリした)、デビューしたにも関わらず「MIXNINE」、通称ミクナと呼ばれるサバイバルに全員で参加し、何名かは最終に残ったにも関わらずそのサバイバルではデビューせず、その後グループ活動をおこなう中で何の前触れもなくメンバーひとりが脱退するという異例の事態に…。
そして何より、ロキンで彼らを知った私がMVをひと通り見ておくかとYouTubeに見に行ったとき再生数の少なさに驚き、「なぜ???こんなにいい楽曲といいパフォーマンスができて???」とK-POPアイドルの花開くタイミングの難しさ、厳しさに打ちのめされたのだった。
いまだに何度見ても信じられない『We Must Love』のMVが129万再生ということが……(この曲は他のアイドルグループにファンがいるほど(ロキン参照)で、実際聞いてみてもかなりいい)

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なんならロキンアレンジも聞いていただきたい。比較することでオネノプの強みがよく分かるし、パフォーマンス力の高さも感じていただけるだろう。

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ここまでできるグループでも音楽番組の1位にあがってくるのは相当大変だった。活動のたびに「音楽番組で1位を取る」を目標に掲げてもなかなか候補にもあがらない。以前PENTAGONが1位を取ったときの記事でも書いたが、ファン以上に本人たちの焦燥感は計り知れないものだっただろう。
ロキンでファイナルラウンドの評価に生放送投票点数や動画再生点数が含まれるため、自身で動画の再生数をチェックして、PENTAGONやTHE BOYZとの大差に落胆し、「他のグループより危ういと思う」「動画再生回数では下位圏だ」「弱ったな」と口々に不安を述べていたことからもよく分かる。どれだけよい曲を持っていても、よいパフォーマンスをできてもそれが必ず結果に結びつくわけではないということは、その世界に身を置く彼らが一番よく知っているのだ。

そんな彼らが、

僕は Beautiful 歌うよ
僕の人生の全ての叫びが じきに芸術となる!
僕は Wonderful 感じて
誇らしげに僕たちは咲き誇る Beautiful

こう歌うのはなんと頼もしいのだろう。私はまだまだオネノプを、こんなグループや楽曲に出会わせてくれるK-POPを追い続けたいと思う。

今回はタイトル曲である『Beautiful Beautiful』に焦点を当てたが、『Beautiful Beautiful』が収録された彼らの初のフルアルバムである「ONF: MY NAME」は全曲聞く価値のありすぎるアルバムになっているのでぜひともオススメしたい。
メンバーの顔と名前を覚えたいならこのMVをまず見るとよい。

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個人的にはタイトル曲を除くと『Secret Triangle』が一番好きなのだが、周りを見ていると『The Realist』の人気が高いようだ。カムバックショーケースで披露していたので動画を貼っておく。表現の幅の広さも分かっていただけるだろう。

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最後にバンドVer.の『Beautiful Beautiful』をおすすめしてこの記事を終わりにしようと思う。オネノプがこれからも素晴らしい楽曲とパフォーマンスでK-POPファンを魅了し、輝き続けるために陰ながら応援していきたい。

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*1:公開元の都合かなぜか2つ同じMVが公開されるため合算するともう少し早く1,000万突破はしていたが、単独ではそのくらいの時間を要した。