The same Rainbow

LOVE DREAM HAPPINESS を追いかけて

【雑記】2021年にSHINeeというグループを好きになった~輝く5つの光に魅せられて~

本日、4月8日はSHINeeのメンバーであるジョンヒョンさんのお誕生日だ。

新規ファンの自分がこの日にSHINeeに関するブログ記事を上げるのはどうだろうかと悩み、1ヶ月も前から何度も書いては消し書いては直しを繰り返していた。いよいよ迎えた当日、やはり迷いは消えないが、お祝いの意味も込めて綴ってみようと思う。

※ジョンヒョンさんについて、新規の自分がファンになってから触れたコンテンツや考えたことについて書いている部分があります。予めご留意いただければと思います。
アイキャッチに5人の画像を使おうかとも考えましたが、やはりファンになって間もないこと、5人の活動をリアルタイムで見ていないということから直近のBeyond LIVEの写真を貼ることとしました。

 

 

SHINeeとはどんなグループなのだろう

去る、2021年2月22日。メンバー3人が兵役を終え、SHINeeが完全体でカムバックした。活動曲は『Don't Call Me』。強烈なインパクトのあるメロディーと力強いダンスは一度MVを見ただけでも非常に頭に残る。
本人たちも「ヒステリックさを表現した」と言うとおり、歌詞を追ってみると、どうやら別れた恋人が未練たらしく何度も電話をかけてきて、それに対して「電話してくるな」と言いまくるストーリーらしい。うーん、SHINeeのメンバー相手ならそんなセリフでもぜひ言われたい。笑

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ここから私がSHINeeに出会った経緯、そしてメンバーのことを知るに至った経緯について、少しさかのぼって書いてみよう。

 

きっかけは“SuperMの”テミンさん

2020年にK-POPという世界に足を踏み入れ、Stray KidsやTXTを中心に追いかけていた私は、NCTをすこーしかじってはいたものの、はじめて本格的に好きになったSMエンターテインメントのグループはSuperMだった。ちなみにSuperMにハマったきっかけについてはこちらの記事で詳しく語っている。
SuperMは7人とも大好きなのだが、ちょうどソロ活動を音楽番組などで見ることが多かったテミンさんを特に好きになった。テミンさんの顔と名前が一致したのはどうやら昨年の9月らしい。

K-POPファンの方からすると、SHINeeはもちろんだが、テミンさんの名前すら2020年半ばまで知らなかった人間がいることに驚くだろう。私がどれほどK-POPとは無縁で生きてきたか分かっていただけることと思う。

SuperMのメンバーにとってテミンさんは活動歴が一番長い大先輩で、リーダーこそベッキョンさんが担っていたがヒョンラインである。SuperMでのテミンさんはいつも穏やかに微笑んでいて、メンバーたちを優しくリードする「綺麗なお兄さん」という印象が強かった。
実はテミンさんがメインダンサーと知るまで少しタイムラグがあった。SuperM~ソロという流れでテミンさんを知ったためか、めちゃめちゃ踊れるボーカルの人だと思い込んでいたからだ。ただ、見れば見るほど「もしやダンスの人なのではないか……?」と気になり調べるに至ったという経緯がある。

また、TXTが年末の歌謡祭でカバーした『Sherlock』は、SHINeeの(数多くある)人気曲のひとつだというのもそのとき知らずに見ていた。普段TXTには反応を示さないフォロワーさんたちが、そのカバーステージにとても注目していた理由が今ではよく分かる。私はSHINeeというグループの存在の大きさをそのとき初めて肌で感じた。
初めて見た『Sherlock』のステージはSHINeeではなくTXTのカバーステージだし、初めて見た『Everybody』のステージはRoad to KingdomでのONFのカバーステージだ。これもまた長年K-POPファンの方には信じがたい状況であろう。
そんな中、SHINeeが2021年にカムバックするらしいと聞いた私は「なるほど、ついにSHINeeというグループを履修する日が来たか。マンネのテミンさんがどんな感じか気になるし少し見てみようかな」という気持ちで公式TwitterやVLIVEをフォローしてみた。確か1月ごろだったと思う。このときはまだ軽い気持ちだった。沼に足先だけつけて上ってこようなどと考えていた時期だ。

 

VLIVEを通して知った3人のヒョン

まだ顔も名前も知らない、テミンさん以外のSHINeeのメンバーを初めて見たのは、ある日のVLIVEだった。そういえばSuperMのチャンネルはフォローしていたが、SHINeeはフォローしていなかったのでテミンさん個人のVLIVEを見るのも初めてだったと思う。通知が来たのでタップして配信の視聴を開始した。

2分を少し過ぎたころメンバーふたりが映る。ふたりのヒョンに挟まれたテミンさんは私が全然知らない顔をしていた。すごく幸せそうな、嬉しそうな、いつにも増して優しい表情。それと同時にテミンさんが可愛くてたまらないといわんばかりに接するヒョンたちも一緒に過ごす時間を心から嬉しく思っているように見えた。
そうか、これがテミンさんがもう10年以上も活動をともにしているメンバーたちなのかとその表情や弾む声を聞いて実感したのだった。このふたりのヒョンがオニュさんとミノさんだ。
それからSHINeeのVLIVE通知が来たら可能な限り見るようになった。(ほとんどテミンさんの配信だったけれど…笑)Stray Kids以外のグループのVLIVEを熱心に見るのは初めてだった。

キーさんを初めて見たのはもう少しあと、恐らくこのVLIVEだった。英語が話せる人なんだなと思ったが、あとで調べたら日本語も一番うまいメンバーとのことで驚いた。配信でことあるごとに「日本のファンの皆さんもいますよね~コメントしてください~」と言ってくれるテミンさんのほうが日本語がうまいのかと思っていたから。

キーさんは不思議な魅力のある人だった。新規の私の目にはクールでクレバーな印象の人だと映ったが(と思ってVLIVEを見返したら結構面白いことを言っていたけど…w)、検索してみるとオンマタイプの世話焼き役だと出てきた。のちにレギュラー出演している「驚きの土曜日」などでの歯に衣着せぬ物言いや、共演者との口喧嘩(演出として)で絶対に負けない口の達者さを目の当たりにして惚れ惚れとしてしまった。インタビューでの受け答えも一辺倒ではない、私が見てきたどのアイドルとも違ったタイプだった。
そういう意味では、「知ってるお兄さん」出演時の動画を見てミノさんが熱血漢だと知ったときも驚いた。アイドルというよりは、イケメン俳優のような超絶男前な顔立ちとスタイルに勝手にこちらもクールな人かと思っていた。Lysn(アイドルから個別のメッセージを受信できる有料サービス)でもその熱いハートを感じられることが度々ある。
オニュさんは私が見ていたVLIVEの中ではあまり口数が多くなかった。けれどどう見ても穏やかで優しい人だというオーラが出ていた。Wikiで見てみると担当はリーダー、サブボーカル。どんなタイプのリーダーなんだろう?ものすごく優しそうだけど、個性の強いメンバーをどんな感じでまとめているのだろう?……これは早くひとりひとりについてもっと知らなければと心がうずうずしていた。
余談も余談だが、見出しはテミンさん目線で“ヒョン”と書いたが、私にとって3人はオッパではなく私がヌナである。笑 テミンさん含め全員が自分より年下かと思うと不思議だ。それほど経歴も立ち居振る舞いも20代とは思えないものがある。

 

SHINeeというひとつのジャンル”と言われる所以を知る

新鮮さの中に感じる確かなカリスマ性

カムバックに先駆けて、「The Ringtone: SHINee is Back」というライブ配信がおこなわれた。パフォーマンスとトーク両方楽しめるもので、今でもたまに見返すことがある。

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車内からのVLIVEで4人での配信は見ていたが、公式的に4人揃った姿を見たのはおそらくこれが初めてだった。オープニングパフォーマンスは『Good Evening』(テリロガ)。Apple Musicのプレイリスト「はじめてのSHINee」で楽曲は聞いていたはずだったが、パフォーマンス込みで聞いたのは初めてで目が釘付けになった。
この1年間音楽番組やオンラインコンサートなど、在宅勤務をいいことにかなりの数見てきたはずだったがSHINeeのパフォーマンスはものすごく新鮮だった。楽曲自体はオシャレで軽やかで清涼感があるのに、決してサラッと流れていくものではなく、心の深くに留まるような、そんな印象を受けた。
のちにこの曲がSHINeeが4人体制になってから初めて披露した楽曲だと知ることになる。

この配信ライブを見て、ますます4人は一体どんな楽曲とパフォーマンスでカムバックするのだろうと待ちきれない思いだった。そして冒頭に書いたとおり、迎えたカムバック。MVを見たときに感じた唯一無二の魅力、音楽番組で放つ圧倒的なカリスマ性…またとんでもないグループを好きになってしまったと思ったと同時に、今回の活動が約2年6ヶ月ぶりだと知り、SHINeeの活動をリアルタイムで追える幸せを噛み締めた。
これが2008年にデビューし、今なお高い人気を誇り、多くの名曲を持ち、若いアイドルたちの憧れの存在となっているSHINeeというグループなんだと実感がわいたのも2週間(音楽番組出演期間)の活動を通してだったように思う。
そういえば、いつごろだったか忘れてしまったが「1度Wikipediaでも見ておこうかな」と検索して、SHINeeが2008年デビュー、2011年日本デビューという想像以上に歴の長いグループであることに驚いたことがあった。誤解を恐れず言うと、10年以上も活動をしているベテラン感よりは(もちろんそういったものはあるのだろうけど)私にとってSHINeeは、新鮮さや可愛さを真っ先に感じるグループだった。

 

画面越しでも圧倒されるパフォーマンスの魅力 

実は前述したRoad to KingdomでのONFの『Everybody』カバーをきっかけに、SHINeeの東京ドーム公演の動画(公式が公開している)を見たことがあった。

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満席の東京ドーム。ここを埋めるのがどれほど大変か、ライブが好きな私はよく知っている。客が入らず黒幕で覆った座席も何度か見てきた。だから「なぜ海外のこんなに(当時)若いアーティストが東京ドームを埋められるのだろうか」「どんなからくりがあるのだろうか」開始8秒まではまだそんなことを思っていた。
そして曲がスタートする。なんとなくYouTubeを調べて見てみたという心持ちのにわかファンにもかかわらず、私は息をのんだ。なんだ、このパフォーマンス力は、ステージ力は、圧倒的な魅力あふれる5人の青年は、と。斬新なダンスとフォーメーション、私が見てきたどの日本のアーティストとも似ていない。響き渡るそろった掛け声と大きな歓声も印象的だった。
初めてこの動画を見たときに受けた衝撃を表しきれない自分の語彙力のなさが歯がゆい。ただひとつハッキリ言えるのは、東京ドームのまばゆいライティングの中に、それ以上に輝く5つの光があった。
これが2014年時点で東京でおこなわれていたというのか?こんなとんでもないステージが?私がK-POPに触れるずっと前に、SHINeeは日本でこんなにも素晴らしいライブをしていただなんて。
画面越しでこの衝撃、一体この場にいたらどれほどの感動を味わえたのだろうかと会場を埋める人々に対して心の底から嫉妬した。さらにこの『Everybody』は2013年にリリースされた曲と言うじゃないか。2021年に聞いても、見ても、ありふれたものじゃないことに驚く。「SHINeeSHINeeというジャンルだ」と言われる所以の片鱗を垣間見た気がした。
SHINeeというグループは、私がK-POPを知ってから塗り替えられた“アイドル像”をまた遥かに更新した。K-POPグループのライブを生で見たことがない私は、もう「ライブを見るのが好き」だなんて言わないでおこうとすら思った。

 

Beyond LIVEで魅せた4人の底知れぬパワー

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SHINee 公式Twitterより

4/4(日)にSHINee初のオンラインコンサートとなる、「Beyond LIVE - SHINee : SHINee WORLD」が開催された。単独コンサートは約3年ぶり。私にとっては初めてのSHINeeの単独コンサートである。映像参加に申し込むためにFCに入会したり(そして落選…そういえば映像参加を申し込んで外れたのは初めてだった)グッズを買ったりととても楽しみにしていた。
公演時間の前に公式Twitterがいくつかステージ写真を公開してくれた。鮮烈な赤の衣装のテミンさんとキーさん、白く輝く衣装に身を包むオニュさんとミノさん。この時点で相当ワクワクしていたが、スタートしてみるとそんな期待をもはるか上空へと超えていくSHINee WORLDが展開された。
SHINeeは楽曲自体がとても魅力的だ。前述の通り聞きやすいのに印象に残る、もしくは独特な癖があるのに嫌味がない…塩梅が難しいところをSHINeeだからやってのけていると新規ファンですら感じた。
そしてそんな楽曲のよさを十二分に表現するパフォーマンスは、MVや音楽番組で見たものとまたひと味もふた味も違っていた。うまく言葉にできないが、ひと言でいえば4人はそこに存在していた。一挙手一投足、表情、息遣い、流れる汗…カムバ時に公開されるコンセプトフォトではお人形のように美しく飾られていた4人は、ステージ上ではまさに命を輝かせて生き生きとライブをしていた。かなりハードなダンスも多く、しかも自分が見た限り(被せも小さい)生歌の楽曲も何曲もあったように思う。
一番度肝を抜かれたのは、他の方もツイートされていたが『Sherlock』からの『Everybody』だ。その前も確か何曲かこなしていたはずだ。そのあとにこの2曲を続けてやるのはかなりキツいだろう。それでも彼らは汗を流しながら最高のパフォーマンスを届けてくれた。自分のほうが何歳か上ではあるものの同年代として本当に尊敬しかない。これがプロか、と思った。画面越しに見るオンラインコンサートでこんなに心が踊ることは滅多にない。

ステージ上ではそのように表現のプロとしてライブを形作る彼らだが、ひとたびMCとなると可愛くて面白い子たちになってしまう。特にテミンさんはどう考えてもステージでは別の何者かが憑依してるとしか思えないほど、トークでは(いい意味で)ポンコツさを発揮するし、オニュさんはあんなに凄まじい歌声で空間を掌握していたのにおっとり&ちょっとおとぼけお兄さんと化してしまうし、キーさんはめちゃくちゃ喋るし(すっごいスラスラ言葉が出てきて毎度感心する…)、ミノさんはなにかのモノマネ?で勢いよく喋ったかと思うと自己嫌悪に陥って落ち込んだりするし…w とにかくとても遠い存在のはずが、一気に親しみを感じてしまう4人の空気が心地よかった。

SHINeeの楽曲の中には、既存ファンなら思わずグッと来てしまう曲もいくつもあるようだ。TLを眺めていると涙が出てきたとツイートされている方も何人もいた。本編最後の曲となった『An Encore』は私がファンになってから一番好きだなと思ったアルバム「Odd」のラストに収録されている曲だった。韓国語ができないので歌詞の意味を理解していなかったため、パフォーマンス中にスマホでサッと調べてみた。別れの曲のような、再び関係を紡いでいく曲のような…切ない中にも微かな希望が見える、ミディアムバラード。歌詞はファンに向けた曲と解説しているサイトも見つけたが、メンバー同士に言っているのではという見解もあった。
特に印象に残った歌詞はこの部分だった。翻訳してくださっている方の記事から抜粋させていただく。

月日はどんどん流れ
何もかも変わっていくけれど
変わらないたった一つのものが
はっきりとしてくる

たくさんのことを乗り越えてきたであろうSHINeeとそのファンたち。このBeyond LIVEでSHINeeはメンバー同士は言うまでもなく、ファンとの絆が本当に強いなと感じた。その夜Lysnでメッセージを送ってきてくれたミノさんの言葉もそうだった。ミーハーゆえたくさんのグループを見てきたが、恐らく私が渡ってきた中では一番ではないかと思う。オンラインコンサートだというのに、それくらい熱いものを感じた。

Webメディアのライブレポート

natalie.mu

 

SHINeeの新規ファンが思いを巡らせたこと

前述の通り非常にミーハーな性格ゆえ、たいてい活動が何年も続いていたり、ある程度歴史を重ねてきたグループを好きになることが多い。“万年新規”とでも言えば分かりやすいだろうか。
ただ、どんなグループも「これからファンの皆さんとたくさん楽しい思い出を作っていきたい」と言ってくれるので、新規は新規なりにこれから知っていって、彼らと思い出を作ろうと思うことにしているので(もっと早く知っていれば~!!という思いはもちろんあるが)楽しむことはできる。
SHINeeもこれからちゃんと追いかけよう、と思った。でもSHINeeには新規のファンが絶対に踏み込めない領域があることを『Don't Call Me』の活動を通して、彼らがそのプロモーション期間に出演したラジオやテレビ番組を通して、痛いほどに感じた。
もう13年間も活動してきているから履修しきれないという意味ではない。SHINeeには大切なメンバーを亡くしたという過去がある。脱退や卒業とはまったく違うその出来事は、新規ファンの私が情報を得ようと検索すればするほど、埋められないものだと強く感じ、やりようのない感情をさまよわせることとなった。
ここから少し、冒頭に書いたとおり、ジョンヒョンさんについて今私が感じたことを書いていきたいと思う。

 

不意に訪れた、現実との直面

今でも忘れられない、3/6(土)の夕方。SHINeeの動画を見ようと思い何気なくYouTubeにアクセスしたとき、トップのおすすめ画面にジョンヒョンさんの亡くなったときの(お通夜かお葬式だと思われる)ニュースメディアのチャンネルに掲載された動画が表示されていた。
心臓がドクドクと鳴った。ジョンヒョンさんについては少し調べてはいたし、過去の動画も見ていたし、なにより今回の活動でメンバーたちも触れることがあったから何も知らなかったわけではない。
それでも直面するのが怖かった。何よりまだSHINeeを知って数ヶ月にも満たない新参者の自分が触れていいか分からなかった。生前の彼を知っているファンと知らない私とでは絶対に埋まらない溝がある。そう感じていただけに踏み込んでいいかしばらく迷っていた。
意を決して、しかし音は消したまま再生ボタンを押した。あまりにも苦しく、悲しい光景に涙が止まらなかった。彼らは、そしてファンたちは、この出来事を乗り越えてきたというのか。想像を遥かに超える悲しみが心の内側になだれ込んできて最後まで見ることができなかった。

YouTubeでファンの方が作った動画を見るとき、コメント欄も合わせて見ることが多いのだが、「いまだにSHINeeの曲を聞くことができない」「SHINeeは大好きなのに4人の活動を追うことができない」という書き込みを度々見かけていた。これまでは分かっていたようで、分かっていなかった。文字情報として得ることと、実際の映像を見ることは、情報量としてあまりにもかけ離れていた。これは現実にあった出来事なのだとこのときようやく少し理解できたような気がした。今でももちろん分かったとは言えない。
それから…私はシャヲルにはきっとなれない。同時にそんなことも思った。

 

キーさんが番組で語ったこと

ここでキーさんが一人暮らしをする家での暮らしを紹介する番組「私は一人で暮らす」に出演したときのことに触れたいと思う。新居に引っ越したキーさんが愛犬と暮らす様子や、家庭菜園を楽しむ様子をたっぷり見せてくれた最高の番組だった。

SHINeeキーが新居を初公開! 家庭菜園や完璧な家事で「一人暮らしのプロ」ぶりを発揮|スポーツソウル日本版

その番組の中で、キーさんの親友である少女時代のテヨンさんを招いて手料理を振る舞い、静かに語っていたシーンが非常に印象に残った。

「5人で一緒にいたときが一番楽しかった」

この言葉を(字幕をつけてくださっている方の動画で)聞いたとき、それは二度と訪れることがない時間なんだなと心を深く抉られた気がした。新規ファンは、私は、その一番楽しかった瞬間に立ち会うことは一生叶わない。
ジョンヒョンさんを亡くした悲しみを本当の意味で理解できないのと同様、キーさんが言うその“一番楽しかった”ときをこれからどれだけ熱心に応援しても絶対に知ることはないのだ。お金でも時間でも愛情でも自分のすべてをかけたとしても、決して。

番組内でも触れているが、SHINeeが1位を獲得したM COUNTDOWNの1位獲得スピーチでキーさんが名前は出さないながらジョンヒョンさんに触れて涙ぐむシーンがあった。
そのシーンについて番組では、時間が経ち、これまでの口に出してはいけないというタブー視されている雰囲気を壊し、「恋しい」という自分の思いを素直に口にしてもいいと思ったと語っている。
テヨンさんと「私たちもう乗り越え方を知ってるじゃん」と言い合うシーンは、同じ世界で生きる(仕事をする)彼ら彼女らにしか分からないことなのだろうなと思った。
当時を知らない新規ファンの私が、深い悲しみに苛まれないのは幸福だろうか。それとも好きになったアイドルが“一番楽しかった”と言う時を味わうことができないほうが不幸だろうか。その答えはまだ出ていない。

もうひとつこの番組でのキーさんの言葉で心に残ったことがあった。「静かに自分を見つめ返す」とテロップが表示されたあと、「僕が何を好きかを自問したことあったっけ?と軍隊で考えるようになりました。自分のことをなんで他の人に聞いてたんだろう?このような悩みをたくさんした気がします。」と静かに話すキーさん。
そして、「これからはもう少し自由に」「自分だけの空間で時間を過ごす方法、それを学んでる最中だと思います」と続いていた。

これは10代のうちから第一線を駆け抜けてきたSHINeeのメンバーであるキーさんが、ようやくひと息ついて自分の人生を楽しむことができるようになりつつあることを意味している…と私は捉えた。それまでの人生が過酷なだけだったとは思わないが(きっと楽しい瞬間や幸せな瞬間はあったのだろうと思う)やはり大変であったには違いないだろう。人間にはひとりで自分の人生について考え、楽しむ時間が絶対に必要だ。

 

“メインボーカルの不在”という言葉

4人が口にする「メインボーカルの不在」という言葉がずっと気にかかっていた。SHINeeを『Don't Call Me』で知った私には、きっと本当の意味では感じられない空白。
たとえば、私にとってオニュさんは十分すぎるほどの歌声の持ち主だ。『Don't Call Me』のMVを見たとき、オニュさんのブリッジ(というんだろうか?テミンさんとの掛け合いになる手前からの部分)の伸びやかな歌声に惹きつけられた。声に特徴があるのですぐに覚えられたし、そこだけは仕事のBGMにしていても毎回耳を澄ませるほどに。
オニュさんはSHINeeが表紙を飾った雑誌「allure」でも「ボーカルの不在」について触れていた。人にそれほどまで言わしめる歌声を持ち、存在感を放つジョンヒョンさんは、いったいどんな人だったのだろう。どれだけ4人にとって、ファンにとって、K-POP界にとって、大切な人だったのだろう。いくら想像してみてもきっと私には分からない。

そんな中、ジョンヒョンさんがラルクのファンで、ライブでカバーを披露したこともあると知った。フォロワーさんにそのコンサートで歌ったのを実際に見たという方がいた。ラルクがお好きな方で、私も同じなのでよく分かるのだが、ラルクの曲はhydeさん以外が歌うとほとんどの場合違ったものになる。歌いやすそうに見えて、実はカッコよく歌うのがめちゃくちゃ難しい。そのラルクの曲をジョンヒョンさんはとても素敵に歌いこなしていたと教えてくださった。調べてみると曲は『Driver's High』。ファンでなくとも1度は耳にしたことがあるだろう有名な曲だ。
恐らくマスターさんが撮影された動画だと思うので貼ってもいいか悩んだのだが、これはぜひとも紹介したいと思い…

www.youtube.com

hydeさんの歌い方をかなり知りつくしているなと感じると同時に、ご自身の魅力も出されていてこれは相当レベルの高いカバーだなと思った。まず大前提として歌がうまい、うますぎる。というか日本語がナチュラルすぎる…!単に「うまい」というだけでない、ここまで安定して歌えるかつ聞かせる歌い方ができる人をhydeさん本人以外では知らないと言ってもいい。
中一からラルクファンで、最盛期はリアルタイムで追っていないものの好きになった数々のアーティストの中ではトップワンツーを争うほどラルクが好きだ。(ちなみにもうひとつはglobeである)そのラルクとジョンヒョンさんが結びついて、SHINeeに出会ったのはやはり運命だったなと実感した。

それからジョンヒョンさんの歌唱シーンを集めた動画も検索して見てみた。CD音源とは違う、ライブの歌声が聞きたくて。
私は学生のころは合唱部、そして社会人になってからも少し合唱団に所属して合唱をやっていた。アマチュアなのでプロについて何か言えるわけではない。ただ、うまく歌える人は探せばいるけれど、人の心に届く歌を歌える人は案外少ない。
にわかファンが言うには早いかも知れないが、ジョンヒョンさんは心を動かせる歌声の持ち主だとそう感じた。バンドのボーカリストのように熱い感情ののった歌声だった。『Don't Call Me』の活動中、「ジョンヒョンがいたらどんな曲になっていたかな」とツイートされている方を少しお見かけした。それをふと思い出し、また、ジョンヒョンさんがいたSHINeeはどんなだったか知ってみたい気持ちが強くなった。

自分がファンになって以降のコンテンツはかなり熱心に見るのだが、過去のものはあまりさかのぼらないたちだ。(Stray KidsもTXTも見ていない過去の動画はかなり多い)ただ、SHINeeに関しては少しずつ過去の動画を見ている。
日本公演のMCを集めてくださっている方がいて、夜中にそれを1本ずつ見るのがしばらくの楽しみになっていた。誰も日本国籍の人はいないのに、5人が日本語で自然に会話しているのは不思議な気持ちだった。ジョンヒョンさんもとても日本語が流暢で、メンバーたちとMCしている姿は楽しそうに見えた。動画では元気にコンサートをしているジョンヒョンさん。ニコニコ動画には相当古い動画も残っていて、バラエティ番組に出ている彼らの姿も見ることができた。映像で見るジョンヒョンさんは、明るく気のいいお兄ちゃんだった。
でもこのさき韓国に行けるようになっても、SHINeeのコンサートにもし行ける日が来ても、私は彼に会うことはできない。

 

おわりに:それでも私はSHINeeを好きでいたい

さきほど取り上げた番組や雑誌のインタビューを見て、自分の中で確信したことがある。確信と言いつつ、勝手な解釈も含む新規ファンの戯言なのだが…彼らは新規のファンは必要としてないのかもしれないなと思った。これまでのファンを心から大切にしながら、穏やかに過ごしたいと思っている、そう感じることがときどきある。まあそれでも好きになってしまったのでSHINeeを追いかけるしかないのだが…笑
こう書くとネガティブに捉える方もいらっしゃるかもしれない。でも私が感じていることは、長年応援して支えてきたファンの皆さんがいたからこそ、2021年に私はSHINeeと出会うことができた。彼ら自身もこれまで応援してくれたファンの存在をとても大切に思っていることが伺える。それは新規にとっては寂しくもあるが、アイドルとファンのとても理想的な関係だ。
ファンは平等ではない。ファンになって間もない私と、1年・5年・10年…それだけの時間とお金を費やし、愛情を注ぎ、思い出を共有し、幸せも悲しみもともにし、彼らを支えてきた先輩ファンは明らかに異なる存在だ。だからこそ彼らに大切にされる権利があると私は思う。

前のほうでも少し触れたが、SHINeeは全員年下ながら、世代的には普段応援しているグループよりはずっと自分と近く、30歳前後に感じる人生の悩み(もちろん10年以上アイドルとして第一線を走っている彼らと比べるのはおこがましすぎるのだが、同じ人間として…)や心身に起こる変化に共感する部分もあり、それが一層SHINeeが愛しいなぁと感じる要因になっている。
私はシャヲルにはなれないかもしれない。それでも4人が見せてくれる最高の姿、ジョンヒョンさんが残してくれた歌声、動画で見ることができる姿、そしてメンバーや長いあいだSHINeeを応援してきたシャヲルさんから語られるジョンヒョンさんにまつわるすべてをできる限り知っていきたい。

かなり遅くなってしまったけれど、2021年にSHINeeのファンになることができて本当によかった。彼らの音楽をパフォーマンスを生き様をこれからも見届けていこう。

 

ジョンヒョンさん、私はあなたの姿を直接見ることや生の歌声を聞くことは叶いませんが、その分ジョンヒョンさんが残してくださったもの、そしてこれからのSHINeeをたくさん愛していきたいと思います。お誕生日おめでとうございます。

youtu.be

上の動画は公式の音源ですが、『Diamond Sky』は私がSHINeeにハマりかけていたときにSHINeeのファン歴が長いフォロワーさんにおすすめしていただいた楽曲です。「SHINee WORLD THE BEST 2018」で歌唱している動画を見て、何も知らないはずの自分の胸にも迫るものがあり、ずっと心に残っています。