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【雑記】ハイローでLDHを知ったオタクがEXILE 黒木啓司の最後のステージを見てきたので

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2022年9月25日(日)、EXILEのドームツアー「EXILE LIVE TOUR 2022 "POWER OF WISH"」(以下、POW)ファイナルとなる東京ドーム公演で、EXILEそしてEXILE THE SECONDのパフォーマー黒木啓司最後のステージとなった。

啓司さんのアーティスト人生は17年、うち14年をEXILEパフォーマーとして務めてこられた。本来であれば、LDHをハイロー(レッドレインのころなので2017年あたり)から知ったような、しかも普段は他のTRIBEグループを推している新参者のわたしが、今日の公演についてなにか想いを交えて感想を述べるのはおかしいのかもしれない。
それでも今日東京ドームで見た景色と感じたことを拙くも文章として残しておきたいと思い、この記事を書くに至った。

 

アーティストやアイドルを推していると、卒業・脱退・活動休止・解散…などに遭遇することはそれほど珍しくはない。これまでも数々の推しメンバー、グループのそれらを見送り、また新しい推しをつくっては一喜一憂しながら30代半ばまで生きてきた。
しかし、芸能界を引退すると宣言した人を見送るのはこれまで経験がなかった。過去に応援してきた人たちは(活動頻度はまちまちでも)芸能界には残っており、何らかの形で活動を見たり、直接会いに行ったりする手段がある。芸能界を引退するというのは、それらの可能性は一切なくなり、もし仮にインフルエンサーやYouTuberとして活動するとしてもアリーナやドームのステージに立ち踊る姿を見ること、テレビドラマや舞台で演じる姿を見ることは二度とできないというのと等しい。
だから最後のステージを生で見守る意味は大きかったと思うし、それを物語るように、今日の東京ドームは盛りなしに満員だった。LDHの東京ドーム公演でこれだけ上までしっかり席が埋まっている光景を見たのは本当に久しぶりだ。わたしも連番させてもらったフォロワーさんもそうだが、今日はEXILEが本命ではない多くのファンも訪れていたようだ。EXILE本体は、やはりEXILE TRIBEのグループを推すわたしたちにとって、忘れることはできない存在だと感じた日でもあった。

わたしの啓司さんのはじまりはROCKY(ロッキー)だった。EXILELDHもまったく知らないままでハイローにハマったわたしは、ロッキーがEXILEのメンバーで踊っている人だなんて知りもしなかったし、なんなら俳優さんだと思っていたくらいだ。

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ロッキーを演じる啓司さんが好きだった。特にシリーズの中では映画「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」が印象深い。
物語のクライマックス、駅でのシーンで敵にボッコボコにやられるロッキーをSWORDの頭たちが駆けつけて援護する、その中に岩田剛典演じるコブラとの熱い場面がある。今日のライブで岩ちゃんと啓司さんが肩を組んで楽しそうにしている姿を見て、そうかもし続編が作られることがあったとしても、ハイローでロッキーとコブラを見ることもないのかと寂しい気持ちになった。

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ロッキーという人物を先に植え付けてしまったので、啓司さんがどんな人かというのに目を向けるまでしばらくかかった。結局は、分かっていないままなんだろうけど、それほど器用な人ではないんだろうなと思うところがあった。インスタライブでファン(なのかアンチなのか微妙なラインの人)からのコメントに普通に言い返したり、「それ言っても大丈夫なのかな…?」とハラハラするようなことを話したり、でもファン思いで、そこには偽りがなくて…啓司さんの飾らない、素のままの…うまく表現できないがアーティストぶらないところが素敵だった。

次にわたしの中での啓司さんはEXILE THE SECONDの印象がくる。4月以来のグループ公式ツイートがこの写真というのはかなり目頭が熱くなった。

POWでのセカンドパートはとにかく楽しくて楽しくて楽しくてメドレーじゃなくてフルでやってくれぇ!!と叫び出しそうになった。セカンドのツアーはROUTE6・6にだけ行ったことがあり、横アリ1公演のつもりが楽しすぎてもう1公演とLVまで追加したくらいだ。絶対にもう一度ツアーをやってほしかったし、見れると思っていた。コロナがなければ、それも実現していただろうに…本当に行き場のない感情がくすぶった。
ちょうどいいところにライブダイジェストが。ノリがいい曲が多く、手のフリなども真似してやりやすくとにかくぶち上がる。

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オンラインライブ(コロナ禍にLDHグループが順番におこなっていた)のダイジェストはなんと12分もある。セカンドさんのこのライブは評判がとてもよく、急遽購入して視聴した記憶がある。

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コロナがなかったら、啓司さんの引退のタイミングはきっと変わっていたに違いない。引退関連の記事を見ると、体力的な限界や裏方に回るのではなく芸能界から一線を引いて違う世界で生きたいという話が中心だが、九州活性化の一貫としておこなっていたプロジェクト「NINE WORLDS」がコロナの影響で立ち行かなくなり、それが心を折る一因となったという話も耳にした。
少し話はズレるが、2019年当時飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を上げていたTHE RAMPAGEもコロナがなければドームツアーを敢行していたと聞いて、やはりコロナがエンターテインメント業界に与えた影響は想像以上に大きいなと思った。
話を戻す。セカンドのライブでもっとも記憶に残る啓司さんは、横アリ公演で見た客席に飛び込む(というとちょっと語弊があるが、埋もれに行く?)ほど近距離でのファンサだ。自分の名前の書かれたネームボードやネームタオルを持った人を見るとファンサをせずにいられない人だったように思う。
今日は啓司さんへのメッセージを書いたものを持っている人が本当に多かった。モニターにも抜かれていたが、半数くらいが掲げているんじゃないかと思うほど、愛のあるメッセージや手作りのアイテムであふれていた。普段は公式グッズ以外を掲げるな!と言い出す側のオタクだが、今日ばかりはLfamのこういう文化も悪くないなと思った。

7月公演の感想記事でも書いたが、セカンドパートのラストは『RAY』という楽曲だ。

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心に響く、将吉さんとネスミスさんの歌声。笑って肩を組む6人、時折モニターに抜かれた表情は複雑そうなときもあって、セカンドのメンバーとして啓司さんを見送る5人は何を思っていたのかな。そんなことを考えながら、やっぱり今日も涙があふれて止まらなかった。

あと少しだけと祈るのに
夢の終わりは儚くて思い募る
まだ 胸に 残る余韻から

 

啓司さんのことを語る上で、TAKAHIROさんの存在は欠かせない。冒頭に載せたツイートのふたりは笑顔で、どこかスッキリしているようにも見える。
ライブ中、TAKAHIROさんが目を潤ませたのは、本編最後のボーカルMCだった。太陽のような笑顔で、いつもわたしたちを笑わせてくれるTAKAHIROさん。そんな彼が赤い目をして、言葉を止めて、上を向く姿にこちらも心が打たれた。(そしてメンディーを見て涙を引っ込めていた😂)
いい年をした男性相手にこういう表現をするのはアレだが、まるで恋人同士のように仲良くいつもキャッキャしているふたりは、お互いをとても大切にしているように見えた。新参者かつEXILEを推しているわけではないので、時たま見るツイートやインスタからの印象、そしてライブでのふたりの様子だけでも、やはり他のメンバーとはまたちょっと違う関係性だったのかなと思う。
アンコール最後曲の前のMCで、啓司さんは言葉を区切りながら、14年前にHIROさんにEXILEのメンバーとして頑張ろうと言われたこと、今日パフォーマンスをしながら自然と涙が流れたこと、EXILEの楽曲に勇気づけられ、今後はEXILEのファンとして皆さんと一緒に応援する側に立つことをしっかりとした言葉で話をしてくれた。
EXILEという看板を下ろすことは、どれだけ勇気の要る決断だっただろう。仮に寿命をまっとうするとしたら、42歳の啓司さんはまだ折り返し地点にいる。パフォーマー勇退してもLDHに残り、元EXILEメンバーとして芸能活動を続けたほうが、いくらか未来のイメージもできるし不安もないように思う。もちろん結婚をして、相手のご家族も含めなにがしかあてがあるとしても、その決断は決して楽なものではなかったはずだ。
直接さよならを言える場があることに感謝していると言った啓司さん。アーティストの中には、コロナ禍で活動が難しく志半ばで辞めざるを得なかった人もいるかもしれない。啓司さんが最後にわたしたちに姿を見せてくれて、言葉を伝えてくれて、笑って去っていったのを見届けられたのは奇跡に近いことなのかもしれない。
啓司さんの言葉を受けて、TAKAHIROさんは目に涙をためて啓司さんを抱きしめて、ふたりの力強いハグを見てまたオタクは涙を流すのであった………(真面目に書いてたのに台無し)TAKAHIROさんStaffさん、ほんといい仕事↓するなぁ。

EXILEとしてはATSUSHIさん残留、プラスオリジナルメンバー3人がスペシャル出演という形で12月にクリスマスライブをおこなう。そこにはもちろん啓司さんは不在だ。
ATSUSHIさんが今日(おそらく)初めて、自分がコロナに感染して西武ドーム公演が中止になったことに触れ、卒業をした身で今日を最後にするはずだったのに12月の公演でも歌わせてほしいと涙ながらに訴えた。ATSUSHIさんの背負うものは他の誰よりも重く、誰も肩代わりできない(もちろん他のメンバーもそうではあるのだが)だからこそファンの応援が力になり、もう少し続けたいと話す姿はシンプルに響くものがあった。留学にはじまり、ATSUSHIさんの振る舞いに対して勝手な人だという声も聞く。ただ、あの言葉を聞いて、流す涙を見た5万人だけはATSUSHIさんをあたたかく見守る側でありたいと思った。
しんみりした空気を変えたのはTAKAHIROさんだった。啓司さんに「(ライブなどでこれまでも一緒に過ごしてきたけど)これからもクリスマスは一緒に過ごそうね♡」と言い、え?引退してるけど…という空気を打ち破るように、ライブにお客さんとして来てという意味で啓司さんと一緒にクリスマスを過ごそうとするTAKAHIROさんが本当に最高だった。涙ぐんでいたわたしたちもつい笑って、最後の最後に楽しい記憶が残るライブになった。

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啓司さんを知ってから、まだほんの短い、こんなライトなファンでも今日のライブでこれほどまでに感じることがあった。心からEXILEのライブに行ってよかったなと思うファイナルだった。
こういうシーンに立ち会えるのは、たぶん自分のオタク人生の中でもそう多くはないだろう。噛みしめることができたのは、フォロワーさんが当ててくれた神席(初めてのグランド席で3列目。トロッコ目の前すぎて震えた)のおかげだ。自分も人との繋がりを大切にしながら、またLDHのライブに行こうと思う。