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【ライブ】Stray Kids 5-STAR Dome Tour 2023 Seoul Special (UNVEIL 13):満員のコチョクスカイドームで彼らは何を想う

2023年8月16日の福岡公演を皮切りに、日韓でドームツアーをおこなっているStray Kids(以下、スキズ)。10月21日(土)、22日(日)は、“Seoul Special”と名付けられた韓国公演を自身初となる高尺(コチョク)スカイドームで実施した。キャパは約2.5万人。スタジアムを除き、韓国では屋根のある会場で最大規模を誇る。前回のツアーとファンミーティングを実施したKSPOドームの約1.5万人から大幅にキャパを拡大したにも関わらず、2日間をソールドアウトし、スキズの人気の高さを裏付けた。

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かねてより海外での人気が非常に高く、韓国でこのキャパは難しいのでは…と心配の声もあったが、実際会場で見渡す限り4階席まで人が入っており、彼らからも一面に輝く光の海を見ることができたのではないかと思う。国際色豊かな客層を見るに、隣国である日本はもちろん、遠い地から駆けつけたファンも多かったに違いない。
セットリストは日本公演から一部変更され、“UNVEIL”と名の付いた公演のとおり、11月10日にリリースされるミニアルバムから3曲も新曲が披露された。3曲ともほっんとうによくて、割れんばかりの歓声が会場に響き渡ったのを記憶している。パフォーマンスも楽曲もなにもかも、とにかくカムバが楽しみでしかない!個人的にはハンくんが語ってくれた曲に込められた意味も踏まえて、『BLIND SPOT』が一番好きになりそうな予感がした。
今回は、両日自力でチケットを取れ(と言っても1階後方席と2階席だが)無事にコンサートを見てきたので感想を書こうと思ったが、内容の感想というより帰りに飛行機でバーっと書き留めたお気持ち表明を残してみようと思う。

なのでKstyleさんのレポートをここに貼っておく……

news.kstyle.com

 

前段の話を少ししておくと、このソウルコン、本来はペンミと同じKSPOドームで2日間、9月末に開催される予定だった。それが突然日程と会場が変更され、ホテルとセットでフライト(LCC)を予約していたわたしは3万ちょっとキャセル料が発生した…。フォロワーさんの中にはもっとかかったと言っていた方もいらっしゃった。仕方ないと思うしかなかったが、実は当初はすっかり気持ちが冷えて、もういっそK-POPファンを辞めてしまいたいと思っていた(まあ常にオタクは辞めたいが)

しかしチケッティングまで少し期間が空いて冷静になったこと、いつまでこうして自分が自由で健康な身で渡韓できるかわからないこと、そして彼らが今後も変わらずステージに立ち続ける保証などないこと…などを考えてチケットを取るに至った。
結果的にその判断は正しかったと思う。わたしは今年初めて渡韓をしたので去年までのソウルコンがどんなものだったのかは分からないが、このソウルコン2日間は、ペンミとももちろん日本公演ともまったく異なるもの――それは内容の話ではなく、彼らの心持ちの部分が大きい――に感じたからだ。MCで話している内容がほとんど聞き取れない自分でもそれを感じたのだから、リアルタイムで理解できた方は尚更だろう。

ただ、初日は正直なところ心残りが多かった。スキズに対してではない。わたしたちファン側の問題だ。率直に言って“本国”と言われる所以である場所で開催した、2.5万キャパの会場でのコンサートにしては盛り上がり(リアクションや掛け声という点において)に欠けていた。しかし、それを2日目に完全に払拭し、大歓声を届けられたのは純粋にすごかった。STAYの底力を感じた。
1日目も2日目もわたしたちファンのスキズが好きで思いを届けたいという部分には変わりがなかったと思う。結果的に「楽しかった~!!!」という気持ちで終われたのは本当によかった。

わたしはリノくん推しなので、バブルの頻度が減っていたことや、ウマチュンの放送を観覧した方から聞いた様子などから、やはりリノくんのことが気がかりでいつも以上に注意して見ていた。初日は日本公演からガラッと衣装が変わっていたことにテンションが上がって記憶が定かでないものの少し思い返してみると、リノくんのパフォーマンスは1日目から素晴らしかったが、全力で踊ったあと少しキツそうな表情(もちろんモニターにも映らないような)もあったと感じた。他のメンバーのメント中など、ぼんやりと宙を見つめている場面もあった。
でも2日目は過去の記憶とほとんど遜色のない姿だったと思う。もちろん少なくとも日本の名古屋公演あたりの様子とは違っていたし、その間に何か変化を生じさせる出来事があったのは間違いない。実際に1日目、2日目のメントでも自分の中で起こったこと(感情や思考)について言及していた。あとで翻訳してくださった方のポストを読んで理解できたことだが、彼は思っている以上に思い悩んでいたのだなと知った。
リノくん(だけではないかもしれないが)の焦り?不安?は、バブルの数が減る直前のメッセージにも現れていた。「今スケジュール的にそれほど忙しくないのに気持ちが急いでいる」そんな内容だった。急速に人気が出て自分たちのグループが大きくなったことに実感を伴わないとか、人気だって永遠には続かないとか、そういうことを考えたりするのだろうか?日の目も見ず消えていくアイドルが五万といる中、スキズの飛躍は本当にすごいと思うのだが、わからないものだな…と思った。
それでもメンバーにちょっかいをかけたり、ダンスをしながら笑っているように見えるくらい良い表情をしている瞬間も多かった。何かほんのちょびっとだけでも、1日目と2日目のあいだに吹っ切れるものがあったのかもしれない。

楽曲の制作を自分たちでおこなう、いわゆる自作ドルであるスキズは、かなり先のカムバまで見据えて楽曲や映像を作っている(あとになって「あのときすでに伏線が……!」ということがたびたびある)のは、ファンであれば誰でも知っているだろう。それは言い換えれば、物語の始まりから山あり谷ありを経て、いつの日か終わりを迎えるとも捉えられる。当然結末まで描けているのかどうかは、こちらには分からない。それでも韓国人男性ならば必ず訪れる“一時中断”、そしてアイドルグループが直面する“契約7年の壁”をまったく意識せず活動しているわけがない。
前述のとおりソウルコンが“本国”コンと言われるのは、彼らが生まれ育った地(あるいは長く生活している地)であり、彼らの多くにとって母国語であり、何よりK-POPの本拠地であり、どれだけファンの数が海外に多くともそこは変わらない。国の歴史や文化の背景を踏まえると、日本のアイドルを推すのとは違うなと感じる部分が多々ある。それはさきほど“一時中断”と表現した、男性アイドルのほとんどが20代終盤という、アイドル人生の中の1年半近くものあいだ、兵役に行くことも含まれる。

リノくんのメントのおかげで、以前よりは状況がクリアになった気はするが(体の調子が悪いのか、心の問題なのか、正直分からないことだらけだった)実際リノくんにどんなことが起こっていて、どんな感情になり、何に不安を抱え焦りを感じているのかは憶測の域を出ない。バンチャンくんが見せた涙もコチョクという会場で無事に公演を終えられた安堵もあったろうし、ここまでたどり着けるのか不安な中活動してきた苦労が実を結んだ実感で思いが溢れたのかもしれない。リーダー兼プロデューサーが背負うものも大きいだろう。ひとつ成し遂げたら、またそれを超える何かを成し遂げなければならない、同じことはできない…自分たち自身との戦いでもあるだろうし、業界をひしめくK-POPアイドルグループを見ているとその重圧は計り知れない。
先ほど兵役の話を出したが、それに直接言及するような何かがあったわけではない。そろそろNCTのメンバーたちが行き始めるか…という段階なので、年齢を考えてもスキズはまだもう少し先だろうという気もするし、とにかく想像しかできないのだ。

結局彼らが決めて行動したことがすべてで、わたしは彼らに直接何か影響を及ぼせるわけでもなく、「なにかをしてあげられる」は思い上がりだなと思う。STAYという塊としてはもしかしたら何かができるのかもしれないけれど、実際問題そこに自分という個人がいてもいなくても関係はない。どうやってもただのいちファンとしては、彼らが、もっと言えば事務所が決めたことを受け取るしかないのだろう。
それはわたしの個人的なアイドルファンとしての感覚で、しかも2020年3月からの新規ファンという引け目もあるし、他の方の推し方や考え方を否定しているわけではない。この無力さは常に感じていることだから、今更といえば今更だ。

そして、こうも思う。大多数のアイドル、およびアイドル志望者がコチョクスカイドーム、さらには東京ドームという大規模会場を埋めることなどできずにアイドル人生を終えていく。アイドルに限らずとも、アーティストでそれだけのファンを獲得し、ワールドツアーをおこない、何百万枚というCDを売ることができる存在がどれほどいるというのか?そんなこと到底実現できないまま、その世界を去るに違いない。ただの会社員であるわたしには想像もつかない世界だ。
こんなにも今をトキメク人気絶頂のアイドルグループに属し、優れたビジュアルやスキルを(スキルは努力のち培ったとしても)持っているにも関わらず、何に悩むというのだろう。マイナーアイドルたちが夢にしか見れないような景色を手にしながら、何を憂うと言うのだろう。
タイミングが半歩でも異なっていたら「ストレイキッズに僕もなれたかもしれない」「数年前までライバルとも思わなかったグループだったのに」そんなふうに思われてもおかしくないくらいに、彼らは大きくなった。

結局は生存者バイアス、優生が故の悩みなのだ。その優生者たちの苦しみをわたしが、凡人が、理解することなどできるわけがない。
彼らが言葉にして表現してくれることは考えている全体の何%なのだろう。すでに彼らの中に答えのようなものはあって、見たい景色にたどり着くための苦悩なのかもしれない。輝く時が永遠には続かないことを誰よりも知っているのはアイドル自身だ。頂に登り詰めようとしている者だけが苛まれるプレッシャーなど、わたしには分かるはずもないのに、何が彼らの苦労や気持ちを理解できるなど言えるもんか。
だから8人が、想いを通ずることができるメンバーたちが、誰も欠けることなくコチョクスカイドームに立ったことはものすごく重要で、尊いことだったように思う。わたしにとって、この2日間のソウルコンは本当に意義深い時間だった。本国でパフォーマンスをする彼らの姿を目に焼き付けられてよかった。命を燃やすようにステージに立つスキズは、これからもわたしたちSTAYと、まだ彼らの存在に気づいていない世界の人々を魅了し続けるのだろう。

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当日ギリギリでSTAY ZONEに駆け込んだりホンデに行ったりフォロワーさんたちとご飯行ったり…楽しかった記録もいろいろあるのでまた追記することにして、ソウルコンへの思いはここまで。
今回はちょっといつものレポートとは毛色が違うので楽しさを伝えるものではなかったと思いますが、もしここまで読んでくださった方がいらしたら、ありがとうございました。東京ドーム公演2日間楽しんできたいと思います!