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【雑記】K-POPアイドルが音楽番組で1位を取ること:Stray Kids ヒョンジン・リノがMCを務めた「音楽中心」悲願の1位獲得


Stray Kids 公式Xアカウントより

2023年11月18日(土)、Stray Kids(以下、スキズ)がこれまでのカムバックで一度も成し得なかった、MBCの音楽番組「音楽中心」(ウマチュン)でついに1位を獲得した日。

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奇しくもメンバーのヒョンジンからMCを引き継ぎ、約2年半MCを務めたリノが同番組のMCを卒業して2週間後の放送だった。

これまでも1位候補に挙がったことは何度かあった。しかし、2020年8月23日リリースのソリクンの活動を最後にBillboardに照準を合わせた金曜カムバに切り替わったスキズが、音源スコアの配点が高いウマチュンで月曜カムバのグループを相手*1に1位を取るのは簡単ではなかった。
実際に前回の5-STARのカムバックでは2週続けて候補に挙がったものの2位という結果に終わった。アルバムの初動売上枚数は当時歴代1位に輝いたがウマチュンはそれだけでは戦えない。わたしはその候補に挙がった6月10日の放送を現地で見ていた。活動2週目で番組に出演していたスキズは、前のめりに発表の瞬間を見守り、結果が出た瞬間悔しそうな、しかし半ば諦めかけたような表情でステージに立っていた。そのときの話はこの記事に少し書いている。 

わたしはヒョンジンくん・リノくんのケミ推しとして、MCを務めるあいだに1位を贈れなかったことを本当に悔いていた。何度もチャンスはあったはずだ。それでもどうしても2023年11月4日までのあいだにリノくんに「Stray Kids!」と呼ばせることはできなかった。自分ひとりがどうにかできた話ではないことは重々承知だが、ウマチュンにはそれほどの思い入れがあった。

今回、実は現地でなんとか観覧に入れないかとかなりもがいていた。しかし人気グループの出演が重なっていたこともあり、観覧のチケットを手に入れられず(当日すぐ対応できるようMBCの前まで行ったし、譲ってくれそうな韓国人の代行とカトクで交渉まではいったのだが、外国人であることと観覧の本人確認が厳しくなっていることもあり決定にはならなかった)後ろ髪引かれる思いで同日KINTEXで開催されたTHE RAMPAGEの韓国公演へ向かったのだ。
そのため画面越しでも1位を獲得した瞬間は見れていなかった。公演が終わってすぐXを開いてTLを遡り、「1位取れたんだ……!」と分かりホッと息を吐いた。それと同時に人気歌謡で1位を取れたソリクンでウマチュンを逃してからのこの約2年間願い続けていた、決定的瞬間を逃した自分自身に落胆もした。ただ、もう数え切れないほど「ウマチュンで1位を取らせてあげたい」と言ってきた自分が、肝心なときに日本の推しグルの韓国公演を見ていたというのは、なんだかそれもまた運命だなとも思った。(ちなみにランペの韓国公演は最高だった)

上に動画のリンクを貼ったが、1位だと分かった瞬間、ヒョンジンくんが驚きに口を押さえて、少しよろめくようにリノくんの肩に手を置いたのが印象的だった。また、1位のコメントを求められたリノくんも驚いて動揺しているような様子が見て取れる。もちろんメンバー全員にとって悲願のウマチュン1位には違いないだろうが、このふたりにとってはもっともっと大きな意味を持っていたと思う。ウマチュンのスタッフさんやPDニムもその瞬間を心待ちにしていたことがよく分かるエピソード*2もいくつか目にした。

こんなふうにもてなして(飾って?)くれることもしょっちゅうで、遡っていたら懐かしくなった。

ちょうどこのタイミングで不思議なものだが、2021年2月に放送された(まだヒョンジンくんがウマチュンのMCを務めていたころ)ヒョンジくんとリノくんが出演したお料理番組の動画が今になって再アップロードされてTLに現れた。ダイジェストなのでちょうど載っていないのだが、このときふたりでウマチュンのMCの小芝居をして、「ショー!ショー!ショー!」と言っていたりもしたのだ。まさかこのあとリノくんがMCに抜擢されることになるとは、当時誰も思ってもいなかった。

ウマチュンの1位が難しいことは本人たちもよく知っていて、1位を取った日のBubbleでヒョンジンくんは「正直永遠にできないと思った。信じられない」「音楽中心の1位本当はすごくやってみたかった」(←ニュアンス)と送ってきていた。
また、リノくんはのちに出たTALKERで「僕はこれを他の人にあげてばかりで、僕が持つことになるとは思わなかったよ!」と言っていて涙がホロリとした…。ちなみに22:26あたりからみんながウマチュン1位について触れている。

 

ここで少しスキズのウマチュンの歴代スコアについてまとめておきたい。特に音源点(Digital欄)に注目してみよう。※スコアの計算方法が時期によって違う場合もあるため参考まで。

その前に…スコアは出ていないが、4位は2回(2021年9月4日放送回で『ソリクン』、2022年3月26日放送回で『MANIAC』)取っているのでそれも載せておく。ちなみにソリクンは前述のとおり月曜カムバだったので集計期間はフルだ。そのため以降の金曜カムバとは条件が異なることに注意してほしい。

実は初めて1位候補(トップ3)に挙がったのは、2021年11月30日(火)にスペシャルシングルとしてリリースされた「Christmas EveL」のとき。2位にランクインしている。音源点は1,118点。投票は事前、当日のグローバル・韓国いずれも満点を獲得できている。IUさんが音源点で5,000点満点を取っていて非常にウマチュンの特性がわかりやすい。

年末は音楽番組が少なくなることもあって、カムバックするグループが少なく、タイミングが非常に良かったと言える。過去のこの「1位を取ることシリーズ」の記事でも何度も書いているが、音楽番組で1位を取るにはリリースタイミングもかなり重要になってくる。

その後、さきほども触れた『특(S-Class)』(2023年6月2日(金)リリース)で2回1位候補に挙がり、結果は2位。以下のようなスコアを残している。
まずはカムバック翌週6月10日放送回。音源点は1,108点。こちらでコントロールできない放送点数は別にして、その他すべてが満点でも音源点で5,000点を取られると太刀打ちできないことが分かる。実はウマチュンの音源点を取るのはコツがあり、ナムジャグルで毎度戦略的に1位を取っているグループもあるのだが、どちらにしても海外ファンの比率が高いと難しい面があった。

そしてその翌週6月17日放送回。このとき音盤のインフレがすごかったため、カムバから翌々週のウマチュンにも効いたおかげで満点を取れている。2週ともSNS点(MVの再生数)も満点だ。しかしカムバから日が経ち、音源点は948点になっている。リアルタイム投票は本国のSMS投票がやや足りていない。

この週の相手はイムヨンウンさん。前週のアイドゥルは大衆人気が高くいずれの音楽番組でも音源スコアが高いが、イムヨンウンさんはファンダムがそれはもう強靭な団結型でウマチュンでの音源取りが非常に強い相手だった。アイドゥルが音源点2位に終わる相手は数えるほどだろう。リリースのタイミングが物を言うというのはこういった結果を見ても明らかだ。

そして見事1位を獲得した、『락 (樂) (LALALALA)』(2023年11月10日(金)リリース)の2023年11月18日放送回のスコアを見てみると、音源点が3,022点とかなり伸びている。今回スミンの呼びかけを前にも増して熱心にしてくださっている方が増えたとは思っていたが、この伸びは正直驚いた。また、投票はいずれも満点になっている。

一方、MBCのラジオ出演がなかったためか(あるいはMBCのラジオ内で流れたりしなかったためか)放送点は0点になっている。カムバ週(放送前週)の番組出演やIDOL CHAMPでの月間1位での加点はされていないようだ。また、SNS点は満点に届いていない。今回それらを補えるだけの音源点が十分獲得できたため、2位と1,000点以上差をつけて1位を取ることができた。以前までのようなスコアでは成し遂げられなかった1位だということがはっきり分かる。
もちろん一番はスキズがあれほどまでに素晴らしい楽曲とパフォーマンスを準備してカムバックを果たし、音楽番組で素敵なステージを見せてくれたことがこの1位の根底にある。そのうえで、やはり多くの人にスミンや音源DLを呼びかけ、やり方を丁寧に教え、寄付や代行を募りここまで頑張ってきてくださった方がいたからの結果に他ならない。大衆人気が一気に上がって、もしくは本国ファンが爆増してこの結果をもたらしたという説を唱える人もいるかもしれない。ただ、そうした有志の方々がいなければ、ウマチュン1位を掴み取ることはもっと難しかったのではないかと思う。

Billboardでも輝かしい結果を残しているスキズが、韓国の音楽番組にこだわる意味は、本当はそんなにないのかもしれない。それでも韓国人であり、K-POPアイドルである彼らにとって、自国の音楽番組で1位を取るというのはわたしたちが思う以上に重みがあるようにも思う。
同時に、大きく飛躍を続けてきたスキズに対して、「ついにここまで来たか…」と(2020年3月からの新規ファンなので古参の方が思うような気持ちとは程遠いのだが)感じる瞬間も多くなった。韓国の番組で楽曲やメンバーが言及されたり、グループのファンだと公言する韓国の芸能人の方をよく見かけるようにもなった。それは「本国人気がない」「海外人気のグループ」と言われていた彼らを思うと、ひと昔前ではあまり考えられなかったことだ。

スキズに対しては、この「1位を取ることシリーズ」で過去2つの記事を書いている。1つ目はわたしがファンになってから初めて音楽番組で1位を取る瞬間を(画面越しに)見た『Back Door』のとき。

kuraxkura.hatenablog.com

2つ目が初めて地上波の音楽番組で1位を取った『ソリクン』のとき。

kuraxkura.hatenablog.com

そして今回が完結編だ。きっとウマチュンの1位は彼らの長いキャリアの通過点のひとつに過ぎない。それでも1位が発表された瞬間の彼らの驚きと喜びに満ちた姿はこれからもわたしの心に残り続けるだろう。

 

スキズはこれからもっともっと遠くへ、そして高いところへ、飛躍を続けるのだと思う。わたしは短い間だったが、彼らを(自分ができる限りで)全力で追ってきてよかった。いろいろな感情が、経験が、30歳を超えてK-POPを初めて知ったわたしの人生を豊かにしてくれた。韓国のApple IDを作って四苦八苦しながらスミンをしてみたり、投票でチキンレースをして寿命を縮めたり…笑 なにより今年5月以降韓国に5回も飛ぶことになったのは、多くは彼らのおかげであるし、彼らに出会わなかったらこんなに必死に行動するというオタ活も経験しなかったと思う。こんなわたしの書く文章を好きだといってくれるフォロワーさんや、ずっと連番をしてくれた友人…スキズを通してたくさんの人にも出会えた。
これからは少しだけ緩やかに見守りつつ、彼らが心身ともに健康で、できるだけ楽しくステージに上がることを願ってこの記事は終わりにしよう。

改めて初めての音楽中心1位、おめでとう!

*1:音楽番組のスコア対象となる集計期間は月曜からスタートするため、金曜カムバの場合は約3日間分の反映となってしまう。

*2:1位を取れるかわからないけどケーキを用意してくれたスタッフさん(取れなかったらスタッフでこっそり食べるつもりだったとか)、ご自身のインスタに「(スキズが1位を取って)これで安心して過ごせる」といった感じの投稿をしたPDニム など