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【舞台】劇団『ドラマティカ』ACT4/魔女とお菓子の家:奇跡を起こすのはいつだって“愛”だ

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観劇前に劇場にて撮影

2024年9月1日(日)は、実に2年以上ぶりに劇団ドラマティカ*1の舞台を見に行ってきました!本記事にはストーリーのネタバレが含まれますのでご注意ください。


劇団『ドラマティカ』ACT4/魔女とお菓子の家 公式サイト

公式のトップスクショして気づいたけど、演出に山本一慶くんのお名前が…!!(北斗だからってことではなく山本くんがってことで合ってるかな?)

わたしの推しグループのUNDEADはドラマティカには出ないので、友人の推しグループであるValkyrie(のお師さん)が出た前々作ACT2を見に行って以来でした。
2年以上ぶりというのは連番した友人に会うのも同じくで、ともに独身だったときは遠征含めていろいろな現場に行きましたが、ふらふらしているわたしと違ってしっかり結婚・出産・子育てと人生を歩んでいる友人とはやはり連絡する頻度も減って…… そんな中、久しぶりに「ドラマティカ見に行かない!?」と連絡をくれて、無事に自名義で1公演当てたという経緯がありました。久々のあんステも久々のステラボールも久々の対面も本当に嬉しかったです🎶

ステラボールはあまり評判の良い会場ではなく、今回引き当てたH列がちょうど段差がある前の列(平面列の最後尾)で背の低いわたしは「これは前の人と被って見えないな……」と諦めモードでした。ただ、会場に入るなり目に飛び込んできた幻想的に輝くステージセットが本当に素敵でテンションはとっても上がりました。

8月最終週の週末は台風10号でてんやわんや(実際は関東上陸前に途中で消滅)しておりまして、新幹線が計画運休で動いてなかったりと大変だったかと思います。その影響か前の列の方が2名いらっしゃらず*2…… そのためありがたくも視界が超絶良好で、むしろ最前だと見づらい(全体が見えづらい)造りの会場でもあったため、結果的に主観ではかなりの特等席と言ってよい景色でした。

感想に入る前に今回の舞台の基本情報を軽く紹介。まずはあらすじ。

継母に捨てられたヘンゼルとグレーテルが迷い込んだのは、人食い魔女がいると恐れられている森。
途方に暮れるきょうだいの前にあらわれたのは、魔女たちが人間のこどもを誘い込むための罠「お菓子の家」…
だが、その家は魔女・ディシーが究極を追い求めるあまりに、いまだ完成していない建設中の「お菓子の家」だった。

思いがけないこどもの来訪に一同は慌てふためくが、きょうだいは「お菓子の家」づくりを手伝いたいと言い出して——。

劇団『ドラマティカ』ACT4はグリム童話ヘンゼルとグレーテル』を題材に、魔女とこどもたちの数奇な出会いが巻き起こす新たな物語!
彼らのつくる「奇跡」をどうぞ、ご賞味あれ。

(出典)公式サイト イントロダクションより

公式のキャラクター紹介動画があったことにあとから気づきました。

youtu.be

それにしてもあんステ初演(2016年)から出ている山本一慶くん、8歳も年取ったとは思えないかっこよさなんですが!むしろ昔よりイケメンさに磨きがかかったような。(そしてわたしもそれだけ年を取ったのね😂)言うて一番新しいつむぎ役の大夢くんも2020年からで、ほか4人も2017~2018年からの出演なので長くなってきましたよね~。でも若手俳優さん見た目年取らない……。

ゲネプロのダイジェスト動画も貼っておきます。ちょうどコミカル(ちょっとシュール?w)なディシーとヘンゼルのシーン…笑

ドラマティカは劇中劇なので、たとえば“ヘンゼル役の影片みかを演じるのは猪野広樹くん”とちょっと複雑なことになっております。カテコでも終始キャラクターとして話すので俳優さん目当ての方だとちょっと寂しかったり……?でもあんステ(もといあんスタ)の世界観が大好きな方にはこの浸れる感じが嬉しいのかもなぁとも。

あんスタって基本的に本編は結構複雑な人間模様で重めの話が多いんですが(ライトな話ももちろんありますが)ドラマティカはまったくの別キャラ・別ストーリーとして繰り広げられるので劇中劇として楽しめる魅力があります。今回の魔女とお菓子の家はシリアスな場面もありながら、どちらかと言うと、ハートフルというか…切なさも感じつつ心温まる展開もあって、楽しいシーンが多かったです。
とは言え横たわっているのは「子を喰らわないと魔力が尽きて死んでしまうが、弟子にしてくれと懇願し、自分を慕う、情がわいた子どもを食らうことはできず死を選ぼうとする魔女(ディシー)」「この人になら喰われて死んでも悔いはないと魔女に自らを差し出そうとする子ども(ヘンゼル)」という重めの軸となる部分。ふたりの苦悩や葛藤、そして愛情を描いてます。これ魔女とヘンゼルを中心としているとは思うんですが、パティーとアーク、パティーとグレーテル、ラオとディシーそれぞれの関係性も見逃せない。パティーとアークが喧嘩してるように見えて、お互いリスペクトがあってさっぱりしているのが、普段のあんスタと違って(dis?笑)なんだか余計にいいなーと思わされたり。どこを取り出しても舞台で見せられた物語の前後にあるであろう、各キャラクターのストーリーについて考えたくなる作品でした。

劇中劇で別のキャラクターを演じていると書いておきながら、今回のACT4のお師さんとみかちゃんの役どころは、“このふたりだからこそ”ここまでストーリーに感情移入してしまったという部分がたぶんにあり、ディシーとヘンゼルを別のキャラクターが演じたとてこのような心を揺さぶるものには成り得なかったのかなと。
お師さんとみかちゃんのコメディのような掛け合いも、息をのむようなシリアスで静謐なシーンも、優しくて甘く感じるシーンも、あのふたりならではなんですよね…。それはキャラクターとしてという意味と、役を演じている山崎大輝くんと猪野広樹くんにしか出せないという意味でもあります。できればこのあんステという作品が上演され続ける限り、Valkyrieはこのふたりであって欲しい。そのくらいもうほかには考えられない!というおふたりなんです。

本編でもお師さんは、表現こそストレートだったりわかりやすく優しかったりではないけれど、みかちゃんのことをとても大切にしているのが分かるし、Valkyrieが二人組のアイドルユニットというのがこれ以上でも以下でもなくしっくりくる所以なんですよね。

今回ちょっと驚いたというか、唸ったのが、最初以前見ていた猪野くんの雰囲気とかなり違っているように思えたんです。役どころがヘンゼルということもあって「あれ?わたしが見ぬ間にキャスト交代した……?」なんて思うほどでした。それくらいあんステの影片みかではなく、ドラマティカ 魔女とお菓子の家のヘンゼルでした。

あ、そういえばわたしゲーム本編ではValkyrieは普通に好きってくらいの温度感ですが、初めてあんステで山崎くん・猪野くんのおふたりを見たときにすんごい大好きになっちゃって。わたしが唯一持ってるあんステの円盤は、推しのアンデではなくValkyrieメインの回です。そのときの舞台の感想記事、まだソシャゲブログを分けてたときのなので恥ずかしいですが、リアルタイムの気持ちを残しておくとこうやって振り返れていいですね。

kuraxkuraxsg.hatenablog.com

話をもとに戻します。セットが綺麗というのは冒頭にも書いた通りで、縦方向にもダイナミックに使っていたのが印象的でした。高さがあるとより立体感があってその世界観にどっぷり浸れます。また、場面転換をセットをひっくり返すというだけでなく、モニターを使っていろいろな演出効果を出していたのも「舞台の魅せ方も進化してるなぁ」と感じた部分でもありました。
ナタリーさんの記事が写真たくさんで雰囲気が伝わるのでリンクしておきます。

natalie.mu

久しぶりのあんステのキャストたちはよく見知った(過去作品から続けて出演されている)面々で、特にわたしはアメージング!でおなじみの日々樹渉役の安井一真くんが好きなんですが、今回の役どころ、かなり好きでした。衣装が色も形もふわふわで女の子みたいでしたが、キャラクター的には気の良い兄ちゃんって感じでした。そうそう。なずな役の大崎くん、ドラマティカ初だとか!大崎くんもあんステ初期からのキャストさんなので安定感あるんですよね~。

ミュージカルなのでそれはそうと言われたらそうなんですが、みんな歌がうまい!!ほっんとに聞いていて楽しかったし、歌い上げるところが2.5次元舞台と聞いて一般的にイメージするものよりずっとクオリティが高いと思います。あんステわりと序盤から見てきたので(見れてない回もたくさんあるけど……)セットも衣装もキャストもみんな育ったなぁなんて。もちろんキャストはうまい人を連れてきてる(連れてこれるようになった)とも言えます。実は安井くんは初代・日々樹渉役で、1度別の方に譲って、また復帰してくれた方でもあります。その方も素敵だったけど…やっぱり安井くんの日々樹渉が好きすぎる。

この物語は「子どもを喰らわないと魔力が回復せずいずれ死に至る魔女が、愛する人の“愛情が込められた”食べ物を口にすることで、子どもを食べるのと同じ効果が得られる」という奇跡を起こし、誰一人欠けることなくハッピーエンドで幕が下ります。これだけ書いてしまうと安易なお話に見えてしまうかもしれません。しかし、ヘンゼルに情がわいてしまったディシーが「あの子を食べることはできない」と苦悩し、最終的にそのヘンゼルが愛を込めて作ったクッキーによって救われたバックグラウンドには、自身の師匠であるマオとのエピソードが関係しています。
かつて子を喰らうことを疑問にも思っていなかったマオは、弟子であるディシーの「なぜ子どもを食べるのか?」という無邪気な問いがキッカケで子どもを口にすることができなくなりました。“魔女の風習だから”と受け入れていた行為が急におぞましく感じられたのかもしれません。死なないでほしいと渡した果物によってマオが魔力を回復し生きながらえることができたという過去。一度きりかと思われたそれは、時を経てディシーとヘンゼルのあいだにも起こり、愛が起こした奇跡として語り継がれる物語となる……

前述のとおりやや救いようのない話もあるあんスタですが、このドラマティカACT4は、明快ながらも話の運びが丁寧で観劇後の余韻がなかなか抜けないくらい心に響きました。6人が全員気持ちの良いキャラクターだったのもあると思います。
アドリブ(日替わり小芝居?)かと思われる箇所も多く、舞台慣れしているキャストが集まるとこういう部分も楽しいなぁと改めて感じました。コミカルなシーンはひたすらに明るく楽しく、シリアスなシーンは表情や指先の細部にまでキャラクターを宿す、キャスト陣をさらにさらに好きになったドラマティカでした。もう1回くらい見たかったな…!

さて、そんな感じであんステ熱、そしてValkyrie熱が高まったわたしに朗報!来年2作品の上演決定の告知がでました~!!そのうちのひとつがValkyrieの返礼祭。人気の高いストーリーかと思うのでチケット確保がまたドキドキですが、友人と申し込もうと約束したので楽しみにしたいと思います🎶

どうかValkyrieのキャストはこのままで…🙏そろそろ難しくなってくるころかなと思うので、もしかしたらこの返礼祭が最後になる可能性もなきにしもあらず……(勝手な想像です)

全然余談ですが、この記事書きながら久しぶりにあんステ Musicログインしたらスカウトチケットでみかちゃん引いてうぉおおおとなりました。これって運命やんな~♪

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*1:ドラマティカとは、『あんさんぶるスターズ!!』に登場するキャラクター・日々樹 渉が主催する演劇サークル。『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ/THE STAGE』シリーズとは異なり、原作ストーリーにはないオリジナルストーリーを描く、もうひとつの『あんスタ!!』舞台化プロジェクト。(公式サイトより抜粋)

*2:ドラマティカは交通の影響で来場ができなかった方へ返金対応をおこなうと告知していました。