The same Rainbow

LOVE DREAM HAPPINESS を追いかけて

【雑記】2020年振り返り:コロナに現場を奪われたオタクはどう生き延びたのか?

ただ趣味で書いているだけのこの記事をどんなふうに書き始めようか、随分悩んだ気がする。2020年に悪態をつくか、嘆くか、いやいや楽しいこともあったよねとするか…。

2020年、大げさでもなんでもなく「コロナウイルス感染症」によって世界は一変した。
2019年をまとめた記事を昨年末に書いたときは、まさか2020年がこんな世界線になってしまうなんてつゆほども思っておらず、終盤に「2020年はもっと現場行きたいですね!」などと書いていた。
しかし2020年のうちにリアルな現場に行く日常は戻ってこなかった。イベントなどが再開できるのは2022年ごろという報道を見て、改めて世界が変わってしまったことを思い知らされた。
この記事は、Twitterなどでは控えていたコロナのせいで現場を奪われた恨み辛みとともに、そんな中でもK-POPという希望の光に出会いなんとか生き延びた、いちオタクの2020年を振り返るための記事である。

※以下、現場に行きたいという表現がいくつか出てきますが、3月から今日に至るまで在宅勤務かつ外出もほとんどしていないことを前置きしておきます。私もかつては24時間稼働のインフラシステムに携わっていたエンジニアとして、医療従事者をはじめ、コロナ禍の中、社会インフラを維持してくださっている皆さまに心から感謝いたします。

 

 

2020年なんとか行けた現場

にわかにコロナ流行の兆しがあり、 マスク着用や入場時のアルコール消毒がやんわり広がり始めた2020年1月。インストアイベントが握手会からお渡し会に変更になるなどの対応もあった。

2020年現場一覧

2020/01/08(水):MUSIC BOX~音楽の力~(Natural Lag出演)@Zepp Diver City Tokyo
2020/01/10(金)、11(土):Da-iCE BEST TOUR 2020 -SPECIAL EDITION-@代々木第一体育館
2020/01/12(日):あんステ~Night of Blossoming Stars~@日本青年館
2020/01/18(土):山フェス 2020@横アリ
2020/01/26(日):THE BEAT GARDEN ONE MAN LIVE@新木場 Studio Coast
2020/02/01(土):劇団EXILE「勇者のために鐘は鳴る」@赤坂ACT
2020/02/01(土):舞台「DECADANCE」~太陽の子~@EX THEATRE ROPPONGI
2020/02/02(日):「復活!花村想太のソウタイム!」スペシャルイベント@池袋harevutai
2020/02/06(木):THE RAMPAGE LIVE TOUR 2020 "RMPG"@エコパアリーナ
2020/02/08(土):SPECIAL SHOWCASE RYUJI IMAICHI / HIROOMI TOSAKA@ナゴヤドーム
2020/02/12(水):BOOK ACT「もう一度君と踊りたい」@日本青年館
2020/02/12(水):「貴族降臨-PRINCE OF LEGEND-」完成披露試写会&ファンミ@代々木第一体育館
2020/02/13(木):BOOK ACT「もう一度君と踊りたい」@日本青年館
2020/02/15(土):LIVE EMPOWER CHILDREN2020(Da-iCE出演)@国際フォーラム
2020/02/22(土):「花村想太×あたりまえポエム2020カレンダー」発売記念イベント@渋谷HMV
2020/03/21(土):ヒロアカ The “Ultra” Stage@ステラボール
2020/11/28(土):ONEUS 1st Ontact Live [CRUSH ON Ø US]@LV

所感:1・2月時点ではLDHDa-iCEがメイン

思ったよりは行っていたし、2/1と2/12は昼夜で現場ハシゴなどもしているが、2019年が90近く現場があったこと思うとやはり寂しい結果に。ONEUSのオンラインライブのLVを除くと、3/21のヒロステが私の2020年最後の現場となった。入場時の消毒・体温チェック、両隣前後空けての着席だった。
2/6のRMPGツアーはド平日でチケットも持っていなかったのだが、当時仕事でものすごく思い悩んでおり、珍しく精神状態があまりよくなく、気持ちをリセットしたいと考えていたときだった。2/4に先輩に「明後日急に休んで行ってきてもいいか」と聞いたところ「悔いのないように行ったほうがいい」と言ってもらえたため、チケットを譲ってもらい(後世に語り継ぐほど感謝の気持ちでいっぱいだ)初めて静岡のエコパアリーナを訪れた。
風が冷たく、寒い日だった。駅から遠く、15分ほど歩いただろうか。満月に近かった月のあかり、幻想的なライトアップがされたエコパアリーナ正面入口で見た景色、会場に入ったときの興奮は今でもはっきり覚えている。
この日がなかったら私の2020年はもっと絶望的だっただろう。THE RAMPAGE(以下、ランペ)の2回目となるアリーナツアーは、過去のライブと一線を画したセトリや演出となっており非常に楽しかった。初アリーナツアーではなかなか会場をいっぱいにできなかったランペが、上の上までいっぱいに埋めてぶっ放してくれたライブは最高だった。

kuraxkura.hatenablog.com

このあとメンタル完全復活を遂げた私は、翌日早朝に静岡→東京へ移動し、元気に出勤したのだった。やっぱりライブがすべての元気の源である。
ただ、このあと東京公演のチケットを確保しており、のちに追加公演としてたまアリ3daysも発表されたため、まさかこれが1度きりのRMPGツアー参戦となるとは思ってもいなかった。中断されたRMPGツアー最後の地となった三重公演に行かなかったことは後悔している……。
他に行けた中で印象に残っているのは、やはりランペ5人のBOOK ACTと片寄くんソロ曲でダンスパフォーマンスをしたイツマコを見れた貴族降臨の上映イベントだろう。どちらも満足度が非常に高かった。
見てのとおり1、2月にはK-POPの影も形もない。当たり前だが私はLDHのオタクであり、並行してDa-iCE2.5次元舞台を追っていたオタクだったのだ。
余談だが…このころ同じLDHの現場なのにアルコール消毒の液体の粘度がさまざまだという話題でTwitterが盛り上がっていた記憶がある。(平和か……)

 

チケットを取ったが中止になった現場

2020年はLDHにとって、「LDH PERFECT YEAR 2020」と題した4年に1度のお祭り(ライブイヤー)となるはずだった。すでに日程が発表されていただけで168公演。それらすべてが中止・返金対応となった。発表していないものも含めるとゆうに200公演を超えていたと思われる。一体どれほどの赤字になったのか、想像すら難しい。
www.ldh-liveschedule.jp

こうなったのはLDHだけではない。国内すべてのライブやイベントが一切おこなわれなくなった(徐々に再開している部分もあるが…)。つまり関連する業者も軒並み職を失ったことになる。
LDH内はもちろん、他も含め複数グループを掛け持ちしている私は既にライブチケットを確保していた。以下はその一覧である。当選していて行く予定だったものだけを記載している。

2020年確保後中止公演一覧

2020/02/27:THE RAMPAGE LIVE TOUR 2020 "RMPG"@東京
2020/02/28:L'Arc-en-Ciel ARENA TOUR MMXX FC限定@横アリ
2020/02/29:Da-iCE BEST TOUR 2020 -SPECIAL EDITION-@大阪城ホール
2020/03/01:BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ"@山梨
2020/03/04:L'Arc-en-Ciel ARENA TOUR MMXX@代々木第一体育館
2020/03/10、11:BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ"@東京
2020/03/18:ヒロアカ The “Ultra” Stage@ステラボール
2020/03/23:Natural Lag Live Tour 2020 -the first story-@赤坂
2020/05/23:舞台「ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々」@渋谷
2020/03/24:ZIP!春フェス2020@東京ドームシティホール
2020/03/28:FANTASTICS LIVE TOUR 2020 "FNT"@福井
2020/04/18、19:THE RAMPAGE LIVE TOUR 2020 "RMPG"@福井
2020/04/22:FANTASTICS LIVE TOUR 2020 "FNT"@埼玉
2020/04/23、24、25:THE RAMPAGE LIVE TOUR 2020 "RMPG"@埼玉
2020/04/26:SPECIAL SHOWCASE RYUJI IMAICHI / HIROOMI TOSAKA THE FINAL@埼玉
2020/05/10:THE RAMPAGE LIVE TOUR 2020 "RMPG"@新潟
2020/05/27:EXILE SHOKICHI vs CrazyBoy「KING & KING」@神奈川
2020/05/30:Da-iCE a-i contact TOUR 2020@厚木
2020/06/15、16:BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ"@東京(3/10、11の振替)
2020/06/23:BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ"@山梨(3/1の振替)
2020/07/01:EXILE THE SECOND PERFECT LIVE 2012▶︎2020@神奈川
2020/07/10:BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ"@神奈川
2020/07/19、26:ヒロアカ The “Ultra” Stage@東京ドームシティホール
2020/08/29、30:Stray Kids World Tour 'District 9 : Unlock’ in JAPAN@MMぴあアリーナ
2020/09/26:BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2020 "BBZ"@福井
2020/10/04:ミュージカル『刀剣乱舞』 ~幕末天狼傳~
2020/11/19、30:シアタークリエ ミュージカル『RENT』

所感:直前中止に心を折られ

この中でも特に堪えたのは2つ。まずは、自力で取ったRMPG東京公演スタンド下段最前列。しかもこれは公演の数日前に水の泡となった。これだけはどうしても行きたかった。今思えば2月のその出来事はほんの序章に過ぎなかったのだが…。
もうひとつは、ラルクのFC限定公演。ラルクは本人確認が非常に厳しいため、一次先行で外れた際諦め半分で申し込んだ二次先行が当たって本当に本当に本当に楽しみにしていた。自分がおとなになって好きにライブを行けるようになってからラルクがアリーナツアーをしてくれるなんて思ってもみなかった。しかし、横アリ公演も代々木公演も中止となった。私はアリーナ規模の会場でラルクを見ることができなかった。

それから舞台がちらほらソーシャルディスタンス座席という条件で再開しだしたのに、日程の前半でコロナ感染者が出て、自分が行く予定だった公演が中止になるというのが何度も続いた。
「行っておいてよかった!」「(私は見れたので)皆さんの健康のために中止は英断ですよ」というツイートに殺意を覚えつつ、おとななので「そうだよな。仕方ない。こういう事態も了承済みでチケットを買ったんだから」と言い聞かせ続けた。
トドメに、高校時代に自分が部長を務める合唱部(と有志の生徒)で歌った『Seasons of Love』がテーマソングとなっている大好きなミュージカル「RENT」だけはどうしても…と必死で取ったチケットも同様の結果となった。私は花村さんがミュージカルの舞台に立つ瞬間を見届けることができなかった。

周りは「ただの趣味でしょ」「ライブや舞台なんてなくても生きるのに支障はない」と言う。確かに私はエンタメ業界の人間ではない。コロナ禍で仕事がなくなった側の人間でもない。ただ趣味で現場に行くのが好きなだけのいちオタクだ。これまでは別にその楽しさを理解してもらえなくてもいいと思っていた。しかし、こういう状況になり初めて、心の底から悔しいと思った。
それでも私の生き甲斐は、2020年がこのような状況で終わりつつある今も、推したちのライブパフォーマンスや舞台を見るためであることに変わりはない。

 

オンラインライブ総まとめ

2020年もっとも技術が発展した分野は、オンラインライブにまつわるものではないだろうか。
もともとIT技術の進歩によって、世界中とほぼタイムラグなしでインターネット通信ができるというインフラは整っていたし、リアルライブでは難しい(が技術的には可能な)ことを試してみる機会にもなったように思う。ARやVRなど拡張現実の技術もオンラインライブでは大いに生かされた。
私自身も日本・韓国のオンラインライブをいくつか視聴したのでここで雑感と金額、満足度などをまとめておこうと思う。なお、Beyond LIVEはドル建てのため金額は購入日によって変動する。AbemaPV(ペイパービュー)はチケット代に一番近いコインを購入した金額としている。

2020年参戦オンラインライブ一覧

※有…有料、無…無料、
有)2020/05/10:Beyond LIVE - NCT DREAM@VLIVE(2,860円)
有)2020/05/17:Beyond LIVE - NCT 127@VLIVE(2,883円)
有)2020/06/14:BANG BANG CON The Live - BTS@Weverse(3,861円)
有)2020/06/20-26:KCON:TACT 2020 SUMMER@YouTube(TXT出演時映像参加)(メンバーシップ登録、月額2,390円)
有)2020/07/03:LIVE×ONLINE - EXILE THE SECOND@AbemaPV(4,800円)
有)2020/07/07:LIVE×ONLINE - 三代目J SOUL BROTHERS@AbemaPV(4,800円)
有)2020/07/08:LIVE×ONLINE - THE RAMPAGE@AbemaPV(4,800円)
無)2020/07/09:MBCコンサート「World is ONE」@VLIVE(スキズ出演時映像参加)
無)2020/07/22:DHC「THE RAMPAGE シークレットLIVE配信」@YouTube(購入者抽選で招待)
有)2020/07/25、26:The 26th Dream Concert CONNECT:D@YouTube(メンバーシップ登録、月額490円)
有)2020/08/29:a-nation online 2020@VLIVE(4,907円)
有)2020/09/04:HELLO! WM ONTACT 2020@VLIVE(2,951円)
有)2020/09/19:「LIVE×ONLINE IMAGINATION」Day1 - THE RAMPAGE@AbemaPV(4,800円)
有)2020/09/26:「LIVE×ONLINE IMAGINATION」Day8 - 三代目J SOUL BROTHERS@AbemaPV(4,800円)
無)2020/09/27:ロッテファミリーコンサート 2020@YouTube
有)2020/09/27:SUPER ON:TACT DAY1@VLIVE(3,310円)
無)2020/10/10:The 11th INK CONCERT@YouTube
有)2020/10/16-25:KCON:TACT 2020 FALL@YouTube(メンバーシップ登録、月額2,990円)
有)2020/10/30:「LIVE×ONLINE INFINITY "HALLOWEEN"」Day1 - RMPG・FNT・BBZ@AbemaPV(4,800円)
有)2020/11/10:三代目JSB 10周年記念 LIVE×ONLINE“JSB HISTORY”@AbemaPV(4,800円)
有)2020/11/22:Beyond LIVE - Stray Kids@VLIVE(映像参加)(3,023円)
有)2020/12/22:「LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER」Day1 - THE RAMPAGE@AbemaPV(4,800円)
有)2020/12/27: DAY6 (Even of Day) Online Party Night@VLIVE(3,322円) ※延期
有)2020/12/27:Beyond LIVE - NCT : RESONANCE 'Global Wave'@VLIVE(4,144円)

所感:LDHK-POPどちらもよさがあった

こうして見てみると意外とオンラインライブを楽しんでいたようだ…笑
メンバーシップ登録で月額のものもあるため正確ではないが、トータルで67,780円ほど使ったことになる。LDHのライブはホール、アリーナ、ドームで違うものの1回で1万円前後のためこれだけ見て7万弱というのはやはり安い。さらにもし実際韓国に行っていたら1回の交通費・宿泊費だけでそのくらいいきそうだ…。
まず、この中の単独ライブで総合満足度がもっとも高かったのは、やはり推しということもあるが、Stray KidsのBeyond LIVEを挙げたいと思う。映像参加で公式写真とTALKERの映像に自分の姿が残ったということもあるが、セットリストや演出、照明、カメラワークなど安定してよかった。詳しくはこちらの記事で感想を述べているのでここでは割愛する。
日本のものはLDH系しか見ていないのでなんとも言えないが、K-POPのものを見ていたこともあり初回はやや物足りなさもあった。しかし回を重ねるごとに改善が見られ、特に3グループ合同のHALLOWEENは非常にクオリティが高かった。セットと演出の凝り方でいうとK-POPも合わせて一番をあげたいほど素晴らしかった。

フェス系でいうと、まず音のよさで名前を挙げておきたいのがDream Concertだ。公式から拘ったとアナウンスがあった通り、BOSEのスピーカーで聞いたとき、そしてゼンハイザーのイヤホンで聞いたとき、どちらも非常に奥行きの感じられる高音質で臨場感のあるライブを楽しむことができた。特にRed Velvetの「Psycho」のときが最高で(ギャグではない)個人で楽しむ用に録画したのを聞いても(もちろん若干劣るが)やはりとてもよい。
総合的によかったのは、たくさんのK-POPアイドル、アーティストを一挙に楽しめた夏のKCON:TACT。ほぼ欠かさず全公演を見て、毎日寝不足になりつつも本当に楽しかった。Stray Kids、TXT、そしてロトゥキン勢と好きなグループが多かったのもあるが、秋よりも夏のほうが楽しかったような気がする。
K-POPのオンラインライブは総じて空間演出がうまく、普段の音楽番組以上にスケールの大きさが感じられ、カメラワークや照明などもよいものが多かった。ただ、NCTのBeyond LIVEだけは出演メンバーやセトリがよかっただけに、カメラワークの残念さがやや心残りとなった。

オンラインライブをこれだけ見ても「もうオンラインでいいな!」と思えないのは不思議でもあり、会場で感じる空気感や熱気、生のパフォーマンスの迫力やファンの歓声…すべてがオンラインでは得られないものなのだと改めて思い知った。
以前ツイートもしたのだが、LDHがオンラインライブを初めて開催したとき、ランペのボーカルである吉野北人くんが最後の曲で涙を流していたのが今でも心に残っている。彼は可愛らしい見た目をしているが九州男児で男気があり、これまでどんなライブのファイナルでも泣いているところは見たことがなかった。途中で中止になってしまったライブツアー、先行き不透明な状況、その中でオンラインという形ではあるがライブができたことでこみ上げてきたものがあったと言う。そこで初めて「アーティスト側もこんなにも不安で、ライブがしたくて、辛かったんだ…」と理解することができた。当時の感想記事から一部、抜粋しておきたい。

それは最後の曲『Seasons』を歌い出した北人くんが、涙で歌えなくなってしまったときです。多分メンバーも驚いたんじゃないかな…?ファンももちろんびっくりした人が多かったと思います。だって北人くんがライブで、ツアーのラストでだって、泣いたところって見た記憶がないんですよ。
ああ…彼らもまた人間であり、この苦しい状況の中、笑顔を私たちに届け続けてくれているけど本当は感極まるほどたくさんの思いを抱えていたんだと…。堪えるように歌う壱馬くんも、ふたりを包むように、でもぐっとこらえた表情も見せる陸くんもそしてマイクは持っていないけれど、きっと同じだけ気持ちを抱えているパフォーマーもみんな…涙が溢れて止まらなくて、PCの画面が見えないほどでした。オンラインライブでこんなに泣けるのかってびっくりしました。

これは多分K-POPLDHも関係なく、気丈に振る舞ってはいるが、ステージに立つすべてのアーティストが抱えているものだろうと思う。観客のいない客席に向かって、それらの不安を押しのけて、最高のパフォーマンスを届けてくれることに改めて感謝したい。

 

2020年のオタ活まとめ:K-POPに出会った

踏み入れたのは、底なし沼でした

2020年、最大の出来事といえば間違いなくK-POPにドハマりしたことだろう。
他の記事やTwitterでも散々書いているので割愛するが、嫌韓だった私がK-POPを好きになるなど夢にも思わなかった。これも何度も言うが「(右寄りのサークルに所属して活動していた)大学生の私が今の私を見たら泡を吹いて倒れる」は誇張表現でもなんでもない。
K-POPに出会えたおかげで、なんとか仕事を頑張り、日々を生き、2020年も無事に終えられそうなのだから人生何があるか本当に分からない。
2020年1月のMステがきっかけでTOMORROW X TOGETHERを知り、そこから少しK-POPに興味を持ち始め、2020年3月にZIP!春フェスの予習でStray Kids(以下、スキズ)の楽曲を聞いて…そこからは真っ逆さまだった。好きなグループもたくさんできた。気づいたら私の毎日はK-POPアイドルのことでいっぱいになった。韓国語がまったく上達しなかったのは誤算だが……。

中でもやはりスキズの存在は非常に大きく、楽曲やパフォーマンスだけでなく、年若い彼らの言動から学ぶことも多い。
スキズはコンテンツ量がとにかく豊富で、公式からとめどなく供給され続け、本人たちも頻度はまちまちだがVLIVEやインスタ更新、最近はbubbleというチャットツールも駆使して直接会えない中でファンと最大限交流しようと動いてくれている。
何よりもカムバックスケジュールが尋常ではなく、私がファンになった以降だけを抜き出しても2020年3月に日本デビュー、6月に日本シングル発売と本国正規アルバム発売、9月に本国リパッケージアルバム発売、11月に日本ミニアルバム発売(1週だけだが本国でも活動)ととんでもない活動量となっている。本国の活動期間も新人グループかと思うほど長く、見る側にとっては非常に楽しい反面、彼らの心身の健康も気になるレベルだった。
合間にバラエティ番組、公式YouTubeから提供される定期コンテンツ、シーグリ、年末の各音楽番組や授賞式など…挙げきれないほどたくさんの活動があった。2020年は間違いなくスキズにとって飛躍の年となった。きっとこれからもっともっと大きなグループになっていくだろう。

 

推しを増やしておくこと

掛け持ちをすることを嫌う人がいるのは知っているが、私はおもに2つの理由から推しグループは複数作っておく派だ。
まずは、過去の自分を省みると「ものすごく熱しやすく、ある日一瞬で冷める」ためひとつだけに熱を上げていると燃え尽き症候群的な感じで腑抜けてしまうというのがある。理由はさまざまだが、お金も時間も惜しみなくかけていたのに、ある日突然冷めるのだ。これはもう性格だから仕方がない。
もうひとつは、あるグループに何かあったときに、別のグループで気を紛らわすことができるという打算的な考え方からくるものだ。推しグループがひとつだと、何かあったとき(たとえば脱退者が出たとか、活動続行が難しくなったメンバーが出たとか)にふさぎ込んでしまう。それを避けるために好きなものは複数作っておきたい。
これはあくまで私の場合なので、押しつけるつもりはない。ただ、あっちこっち騒いでいるのはこういう理由から…という言い訳のために書いた。笑
おそらくこのままいくと、2021年はスキズをメインに、次点でTXT、活動があればSuperMを推しつつ、あとはNCT、VERIVERY、ONEUSをゆるく推すことになりそうだ。これに限らず楽曲はどんどん聞いていきたいし、もっとK-POPについて理解を深めたい。

 

命を燃やすのは美しいことか

私たちがK-POPに魅了される理由は、楽曲やパフォーマンスのクオリティの高さ、メンバーたちの家族のような仲のよさなどいくつかあると思うが、別の記事にも書いたとおり“人生をかけてアイドルをしている”と感じる瞬間がいくつもあるからではないだろうか。
以下の記事はK-POPにハマって間もないころに書いたため多少今の考えとズレがあるが、基本的な部分は変わっていないので参考に載せておく。

kuraxkura.hatenablog.com

LDHもライブパフォーマンスにかけるエネルギーはすさまじく、ステージ終わりに酸素吸入をしている姿が映されたこともあるが、BTSドキュメンタリー映画を見たときは、さらにそれ以上の過酷さを感じた。
K-POPのアイドルは苛烈な競争をくぐり抜け、並々ならぬ努力の上に成り立つ華麗なステージを見せてくれ、そして仲間やファンに対して大きすぎるほどの思いやりを持つ。そういった姿が私たちの心を掴んで離さない。

以下、非常に自分語りが激しいのでワンクッション入れておく。

自論としては、人間には10代後半~20代にしか成し遂げられないことが絶対にあり、命に替えてでも掴み取らなければならないチャンスというものがあると思っている。だから多少の無理で自分の目標達成に近づくことができるならば、苦しくてもするべきときはある。
もちろん厳しいオーディションや練習生期間を経てアイドルになった彼ら・彼女らの壮絶さを会社員の平凡な人生と照らし合わせることは到底できないのだが、「20代のときにさまざまなものを犠牲にしてやり遂げた仕事があったから今の自分がいる」と思うことがある。前職はかなりのハードワークで、現在の自分には到底こなせないような仕事のやり方をしていた。あれは20代だったからできたことだ。
「あのとき、ああしておけばよかった」という後悔は、一生消えない。歳を取ってやり直すことはできない。単身イギリスに2回出張に行って辛かったことも、親会社のオフィスで詰められながらプロジェクトの遅延報告をしたことも、お客さまに怒られながら徹夜で対応してシステムを無事にリリースしたことも、あのときにしかできなかった。退職するときにお客さまに送迎会を開いていただき、お花とプレゼントをいただいてお礼を言われたのは、過去の自分が必死で頑張った結果だったんだと思う。
命を燃やすほど仕事に打ち込む。そういった経験がないまま歳を取るのはとても怖い。成し遂げたことの大小は関係ない。人生の多くの時間を注ぎ込む“仕事”というものに、自分がどれだけ真剣に向かい合ったか。これがないとアイドルたちの仕事に対するプロ意識を1ミリも理解できない。

しかし、心身の健康を侵して、果ては自らの命を絶つほど思い詰める必要はあるのかとも思う。SE時代、鬱病になって辞めていった同期や先輩・後輩はたくさんいた。同じプロジェクトの外注さんがある日突然来なくなったこともあった。身内が鬱病にかかって、治ったのに再発したことも経験している。
さきほど若いうちにしかできないことがあると書いたが、それと同時に彼ら・彼女らにとって人生は先のほうが長い。長い人生を心身の健康を保って生きていくためには、バランスが大切だということも理解しておく必要がある。
心の強さには個人差がある。そして心は一度壊れると完全には元に戻らない。まして年若いアイドルたちが自分だけでそれらをコントロールしきれるとも思えない。どうか周囲の大人たちは適切に管理してあげてほしいし、私たちファンも良識ある態度でアイドルたちを応援していかなければならない。 

来る2021年に向けて

2020年は社会人以上に、学生にとっては非常につらい年だったと思う。私の仕事は学生向けのサービスも扱っているため、就活や進学に悩む声もいくつも聞いた。しかもそういう若者を食い物にする大人もいて、本当に気持ちが暗くなった。
なぜ急に学生に言及したかというと、私が大学を卒業したのが2011年だからだ。同年代の人は分かると思うが、就活をしたのはリーマン・ショックの余波で就職率が非常に厳しかった年だ。あのころ何十社も落ち続け、駅のホームで一番前に並ぶのを避けなければ間違いをおかしそうなほど思いつめていた自分を思い出した。そうして死にものぐるいで新卒入社し一生をともにすると誓った会社だったが、結局8年弱で転職した。人生なんてそんなもんだ。ただ、それは過去を振り返ったからこそそう言えるのであり、今苦しい思いをしている人たちを救えるわけではない。
だからこそエンターテインメントをなくすわけにはいかない。少なくとも私自身、私の友人・知人は界隈に関わらず皆、エンターテインメントに助けられて2020年を生き抜いた。
私のブログ記事を読んで、K-POPやスキズをより知りたくなったとリプライやDMをくださった方が何人もいた。皆さんの言葉に本当に救われたし、もっと知識をつけてたくさんK-POPについて書いていきたいと思った。言葉の保つ力の大きさを感じたと同時に、職業ライターとしてほんの少し自信がついた年でもあった。
しかしどの事務所も業者も非常に財政状況が厳しく、コロナが終わってもライブを開催できる体力のあるところはないのではないかと言われている。そんな未来は来てほしくない。だから可能な限り、エンターテインメントが続くようにできることからやっていきたい。辛かった2020年を明るく照らしてくれたのは、間違いなく音楽であり、アイドルであり、エンターテインメントだったからだ。

 

長々とここまで読んでくださった猛者の方、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。