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【雑記】K-POPアイドルが音楽番組で1位を取ること:着実に積み上げた3年11カ月 VERIVERYがついに掴んだ1位のトロフィー

2022年11月23日(水)、ついにVERIVERY(以下、ベリベリ)が3rd EPのタイトル曲『Tap Tap』で自身初の韓国音楽番組1位を獲得した。


公式Twitterより

ベリベリのデビューは2019年1月9日。初めての1位までにかかった年月は約3年と11カ月。長かった、と言ってよいだろう。それくらい彼らの楽曲やパフォーマンスはすばらしく、中でも“カル群舞”と呼ばれるシンクロ率の高いダンスパフォーマンスは高いレベルを誇っている。
くしくも今日初の1位を飾ったのは、メンバーの末っ子・カンミンくんがASTROのムンビンくん・サナくんと2020年3月4日~2022年10月26日のあいだMCを務めた『SHOW CHAMPION』となった。MCを卒業してからわずか1ヶ月足らず。あともう少し…そう思わずにはいられないタイミングだった。

ベリベリは、このシリーズに加えることをわたしがもっとも望んでいたグループと言ってもいい。ライトファンながらその思いと、お祝いの気持ちを込めてこの1位について少し書き綴ってみたいと思う。

 

ベリベリとの出会いはMnetのサバイバル番組「Road to Kingdom」(2020年4月30日放送開始、以下「ロトゥキン」)だった。当時ロトゥキン視聴者のあいだで話題になったのはやはり『PHOTO』のステージだろう。アイデアと演出に「ベリベリってこんなにすごいグループだったんだ……」とわたしと同じく驚いた人も多いに違いない。

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しかしロトゥキンでのベリベリの成績は奮わなかった。脱落こそしなかったが、『LIT』のパフォーマンスで上位を取ってみせたONEUSと違い、大きく逆転の見せ場もなく、最後まで崖っぷちであった。それでも彼らが見せてくれたステージは少しも劣らず、手を抜かず、最高のエンターテインメントであったとわたしは思っている。ただ、ロトゥキン後何度かのカムバを経てもこれまで1位獲得は叶わなかった。

過去記事にも何度も書いているが、韓国の音楽番組で1位を取ることがすべてではない。ベリベリは海外ファンが多く、この夏はアメリカの16都市を回るツアー(米ツアーは2度目)を成功させている。さらにBillboardでは第4世代のボーイズグループの中で見ても非常によい成績をおさめている。

だが、デビューをして2年が経ち、3年が経ち、契約期間7年と言われているK-POPアイドルがその折り返し地点を過ぎても1度も自国の音楽番組で1位を取れていないというプレッシャーは計り知れない。(そのあたりはもちろん事務所やグループによっても感じ方は違うという前提のもと、こちらのPENTAGONの記事にもう少し詳しく書いている)
男女問わず若いメンバーで構成された魅力的な新しいグループが次々に現れ、なかなか成果を出せない既存のグループは生き残れず解散に至ってしまったり、メンバーが多数入れ替わることも珍しくはない。そんな中、同じメンバーで4年を目前にし、着実にファンを増やし、今日までたどり着いたのは決して当たり前ではない。

今回の活動曲は『Tap Tap』。ここ暫くのカムバでは赤黒と呼ばれるようなダークな世界観の楽曲が続いていたベリベリにとって、ヒップなサウンドも感じられつつ、久しぶりの元気いっぱいで明るいカラフルな雰囲気の楽曲となっている。最近流行り(?)の曲中でガラッと印象が変わる曲で聞いているだけで楽しい。

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音盤の売上は過去最高。初動14万枚を超え、幸先はよかった。

しかし音楽番組の難しいのは、自己成績が過去比較でどれだけよくても同時期にカムバしている人たちに左右される点にある。音楽番組ごとに特徴があるため一概には言えないが、極端な話、もしBTS先輩とカムバが被り、彼らが音楽番組に出演するとなったら対抗できるグループはほぼない*1に等しい。
今回も音源の強いイムヨンウンさんやオマゴルのユアちゃんがおり、火曜の『THE SHOW』は出演者のみが1位候補になれるもののユアちゃんに1800点もの差をつけられて2位に終わっていた。ライトファンながらやはり昨日は悔しい思いがあった…。

『SHOW CHAMPION』は予測からも期待が高かったため、アプリでの事前投票も積極的におこなったが事前投票では3位。音源点やSNS点(MV再生数)で敵わない相手の場合、投票点はできる限り満点を取っておきたいので不安があった。
スコアを見てみるとわずか200点足らずの僅差であることが分かる。音源だけで3500点を獲得するイムヨンウンさん。もし出演していたら放送点数がついて勝つことはできなかった。本当にカムバタイミングによるところが大きい。

 

遅ればせながら簡単にメンバー紹介をしておこう。ベリベリはJellyfishエンターテインメント所属の7人グループで、事務所の先輩はVIXX。ロトゥキンでもラビ先輩が差し入れと指導に来てくれたシーンがあった。


公式Twitterより

左から順にヨンスン、ヨノ、ホヨン、一番年上でリーダーのドンホン、マンネのカンミン、ミンチャン、ケヒョン。ちなみに日本デビューは2022年6月22日にしたばかり。
ドンホンくんは元SMエンタの練習生。カンミンくんを知る人は多いかもしれない。2003年生まれの末っ子で、ビジュアルマンネ。ここ最近は本当にかっこよさと美しさに磨きがかかっているが笑うとまだあどけなさも残る。

『SHOW CHAMPION』で1位が発表されたあとメンバーの目には涙が光っていた。ダンスの練習に非常に厳しく、ロトゥキンでもちょっと(ちょっと?)怖がられていたドンホンくんもマイクを持ってすぐには話せないくらいになっていて、こちらもこみ上げるものがあった。(ツイートへのリンク失礼します)

わたしは彼のリーダーシップの方針がすごく好きで、以前切り抜きでこんなツイートをしたことがある。ツリーにもいくつかつなげているのでよければ見ていただきたい。

当時デビューして数ヶ月だったTOO(現TO1)を引っ張っていく立場だったベリベリ。自分たちもまだデビュー1年ちょっとという状況だったが、即席チームのコラボステージを見事に作り上げた。

きっとドンホンくんは責任感の強いリーダーに違いない。95年生まれでひとりだけ歳が離れていることもあり、弟たちに年寄り扱いされたりと(愛ゆえに)いじられまくってはいるものの、なんとか自分が兵役の年齢になるまでに1位を取りたい思いはあったのではないかと勝手に推察する。1年のあいだにカムバできるのはせいぜい2回、多くて3回。これまで何度か2位につけたことはあったもののどうしても1位を取ることができなかった。そんな彼が、彼が率いるベリベリというグループが今日1位を取れたことを本当に嬉しく思う。

 

ここから少しベリベリ自体の紹介をしていこう。
ベリベリといえば、まずはダンスパフォーマンスを見て欲しい。わたしのお気に入りはこの『Thunder』と『Get Away』のダンスプラクティスだ。

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普段わたしはダンプラを何度も見ることはない。ただ、ベリベリだけは欠かさずチェックし、何度も見る。それくらい見ていて気持ちのいいパフォーマンスをするのだ。ここまで統率の取れたパフォーマンスには、前述のドンホンくんの並々ならぬこだわりと指導があるに違いない。

SHINeeの名曲『View』のカバーダンスもリレーダンスという形式ながら見応えがある。彼らも「誰がメボで誰がメダン?みんな……?」現象に陥るグループだと感じた。

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ちなみにベリベリは歌声もかなりいい。K-POPアイドル界には歌うまが多すぎて、なかなか注目される機会が少ないのだが、メインボーカルのヨノくんの歌声は相当だと思う。(ピアノを弾いているのはドンホンくん)

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この『ELEVEN』のカバーも大きくバズりはしなかったものの「めっちゃいいじゃん!」と一部では話題になったりもした。本当はもっとバズってもいいと思うが……!!YouTubeのコメントを見るとベリベリを知らない人もよく聞いてくれているようだ。

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さらにベッキョンさんファンもうならせた*2、ケヒョンくんの『Bambi』カバーもぜひ聞いていってほしい。

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原曲を聞いたことのある方ならよくご存知かと思うが、とんでもなく難しい楽曲だ。ベッキョンといえばK-POP界でも随一を争うボーカリストのひとり。この楽曲に挑戦しただけでも拍手だが、ここまで歌い上げたケヒョンくんの新たな魅力に気付けたカバーとなった。

韓ドラ好きな方はもしかしたらこの曲でピンとくるかもしれない。『My Beauty』は、「偶然見つけたハル」のOSTで、ドラマを見た人であれば、少し聞いただけで胸が締め付けられるような切なさに襲われる。

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ダークな曲から切ないメロディアスな曲、そして爽やかで明るい若手のボーイズグループならではの楽曲まで、すべてをうまく消化するベリベリ。1度だけ日本でのファンミーティングで生のステージを見たが、画面越しに見ていた以上の迫力があり、早く単独ライブを見てみたいと願った。
ちなみに、このKCONのV DIUM動画が臨場感や迫力を感じられるのでおすすめだ。ステージは3:14あたりから始まる。

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ここまでダンスと歌を取り上げたが、実はバラエティ力もなかなかに高い。チーム対抗でサッカーゲームのようなものをするのだが、この動画で呼吸困難になるほど笑ってしまった。(メンバーが面白いというか、編集が神がかっている説もある…w)

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このシリーズは他の動画も面白いものが多いので、ベリベリが気になっている方、メンバーのキャラクターを把握したい方はぜひごらんいただきたい。日本語字幕もついている。

 

実はベリベリにはメンバーのミンチャンくんがしばらく活動を休止していた時期がある。6人での何度目かのカムバが過ぎ、もしかしたら戻ってこれないのではないか…という不安もあった。しかし、2021年8月久しぶりに7人がそろってカムバック活動をすると公式からお知らせがあり完全体に復帰した。戻ってきてくれたことが嬉しく、そしてメンバー全員が元気に活動できることは当たり前ではないのだと改めて身にしみた。

K-POP界には実力もビジュアルも申し分なく、なにかのキッカケさえあれば爆発的に人気を得られそうなグループというのがいくつも存在している…と思う。今の時代、そのキッカケ、いわゆる“バズ”をどう生み出せるかが非常に重要なのだが、それがまた難しい。マーケティングコンサルティングをやってある程度コントロールが効くサービスと違って、アイドルの人気というのは偶発性が高い。意図的に作り出せないわけではないが、あまりにもステマが見えるとファン(およびファン予備軍の層)から嫌われてしまう。
だから最後のときまでその“バズ”のキッカケを掴みきれないグループもいるかもしれない。しかし、ファンを大切にし、心からのパフォーマンスを届け、その歩みの一歩一歩がそれほど大きくなくても、着実に結果を出していくグループというのが存在してもいいと思う。

これは彼らの歴史の1ページだ。ベリベリと、ここまで熱心に応援してきたVERRER(ファンネーム)の皆さんが刻んだ大切な、そしてこれからも続いていく活動の最初の1位獲得の1ページ。わたしも彼らの活動はこれからも見守っていきたいと思う。

改めて1位おめでとう!!

*1:音盤を数百万枚単位で売り、本国での音源も安定し、さらに出演点も取るという構図になったら太刀打ちできない

*2:海外の方にわたしがこのカバーの動画を切り取ったツイートを引用されたことがあり、ベッキョンさんファンの方が「ベッキョンのカバーで納得するものに出会ったことがないけど、この子のは一定認めてもいい」とツイートしているのを見た。