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【雑記】29歳で未経験の職種に転職してもうすぐ1年経つ今考えること

※注意※この記事はいつも書いているLDHの話ではなく、『「迷い」と「決断」』というお題に沿った内容になっています。

 

未経験の職種への転職を成功させるには何歳がリミットだろうか?
2018年夏、新卒で入社し8年弱勤めた大手のIT企業を辞めて、現在のIT系スタートアップ企業へ転職した。
今でもよく言うのだが、私は前職での“仕事は”好きだった。エンジニアは私にとって天職だったと言ってもいいくらいの仕事だった。
しかし人間関係で心が折れてしまった。お客様には本当によくしていただいて、とても素敵な人ばかりだったのだが、私がうまくいかなかったのは上司との関係だった。
転職を考えたことは過去にも何度かあったが行動に移したのは去年が初めてだった。若いときは「せっかく新卒で安定した大企業に入ったのに辞めるなんてどうかしてる」「凡人の私はこれ以上のところに転職なんてできるはずがない」と思い込んでいたからだ。
転職のきっかけは友人からの誘いで、「とりあえず面談のつもりで来てみてよ」と行ってみたらとてもいい雰囲気の会社で心が揺らいだ。
募集職種はライター。理系で工学部を出た私には無縁の職種だと思っていた。趣味でブログや小説を書くことはあったものの、仕事にするには難しいだろうし、何より30歳を目前にして未経験の職種へ転職するのはとても抵抗があった。
新卒で入社して29歳というともう中堅だ。新人のOJT役も経験し、プロジェクトではリーダーを勤め、ありがたいことに非常に評価ももらっていた。結婚や出産に興味のない私は、エンジニアとしてキャリアを積んでいこうと心に決めていた。…はずだった。

 

選考は順調に進んでいった。友人が推薦してくれたおかげもあるだろう。
別の大学時代の友人に「人間関係で転職をする奴は、転職してもまた人間関係に悩む」と言われ確かにそうかもしれないと思った。
それと同時に「今すべてを捨てて新しい世界にチャレンジしなかったら、もう二度とできない気がする」とも思った。 書くことを仕事にするってどんな感じなのだろう?という好奇心が日に日に膨らんでいった。
しばらくして内定とともに提示された年収はきっちり現職の3分の2。家賃補助など福利厚生もなくなるので実際はもう少しダメージがあるかもしれない。退職金制度もない、財形貯蓄制度もない、グループ保険も脱退になる。私は大企業に守られているんだなと初めて理解した。
それでも待遇については、未経験のアラサーに対して転職先はとても頑張ってくれたので不満はなく、これに見合うだけのパフォーマンスを出さなければならないとプレッシャーを感じた。
しばらく時間が欲しいと伝え、悩んでみた。しかし、心の中で答えは出ていた。自分の可能性を信じてみようと決めた。

 

オファーを正式に承諾し、年休を1日も消化せず引き継ぎ作業を終えた私は、最終出社日に一番最後にフロアを出た。ロッカーを綺麗にして、8年弱お世話になったオフィスを少し歩いて、すべての電気を消して、警備員さんに挨拶をして、終電が迫る時間に外に出た。
清々しい気分だった。平日休日深夜問わずシステム障害の電話に構えることも、夜間に電話が来て家で対応することも、お客さん先で冷や汗をかきながら本番切り替え作業することももうないんだな…と思った。
辞めてみるとあっけなかった。あんなにすべてを注ぎ込んできた、自分がいないと案件は回らないんじゃないかと思うこともあった仕事は、実は“なるようになる”と気づくのにとても時間がかかってしまった。
駅までの道のりでなぜか涙が少し出てきた。ただ、泣いている暇はない。この先はまた違った大変さが待ち受けているんだろうと気を引き締めた。

 

出社初日。選考で感じていたいい雰囲気の会社というのは間違いではなく、いろいろとサポートしてもらい、スムーズに業務に取り掛かることができた。
そのおかげもあり慣れない仕事ながら、小さな成果をぽつぽつ出せるようになり(具体的には書いた記事のPVがとても伸びる、記事経由でサービス利用登録をしてもらえる、など)徐々に会社になじんでいった。
大変さはもちろんあるが転職してよかったと感じた。出社時間は遅くなったし、19時過ぎには帰宅できる、土日祝は必ず休み…エンジニア時代には考えられないほど時間的な余裕ができた。
反面お金はかなり厳しくなった。一度上げた生活水準は簡単には下げられない。使える時間が増えたことも影響しているだろう。毎月の手取りよりクレジットカードの引き落としが多い月が続いている。これはそろそろ本気でなんとかしないといけない…。

 

私の「決断」は間違いではなかった。そう思う。
しかしときどきふと考えてしまうことがある。「エンジニアとしてあのままキャリアを積んでいたらどうなっていただろうか?」と。
同期は昇進をすればという前提にはなるが、そのうち年収1千万を超え、退職金も相当な金額をもらえるだろう。私にはそれがないのだとときどき思い悩む。
ライターという仕事で10年後、20年後どうキャリアを積むべきなのか今の私にはまだ分からない。この不安が拭え、未来にこう在りたいという姿を見つけたとき、本当の意味で私の転職は成功したと言える気がする。
きっと人生は「迷い」と「決断」の連続なのだ。30代はまだ始まったばかり、これからもずっと悩んで、迷って、そして決断して生きていく。