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【ライブ】コロナ禍で「リアルライブ」はどう開催された?EXILE TRIBE LIVE TOUR 2021 "RISING SUN TO THE WORLD" 東京3Days

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EXILE TRIBE LIVE TOUR 2021 "RISING SUN TO THE WORLD」が3/10(水)に東京初日を迎え、本日無事に3公演目を終え幕を下ろした。これから福岡・愛知・大阪と続くこのツアーは、実にLDHが1年以上ぶりに開催する「リアルライブ」のドームツアーである。
本記事では、このツアーが開催されるまでの経緯およびどのような対策を講じて開催されたかを中心にお伝えしたいと思う。(後半はライブ本編のネタバレあり感想も)

 

 

エンタテインメント復活の第一歩

東京は現在緊急事態宣言下にあり、先週時点で開催は難しいだろうと踏んでいたため3日間チケットを所持していたものの、有給申請は1日も出していない状態だった。
それを覆したのが3/7(日)に届いた1通のメールだった。そこには東京ドーム開催について検討を重ねており、お知らせが遅くなったことへのお詫びとともに、会場での細かな感染対策、そして既にプロ野球を有観客で実施している読売新聞東京本社および読売巨人軍の協力を得て「今後エンタテインメント復活に向けての一歩を踏み出したいと思います。」と綴られていた。
「ドームツアーが開催されるんだ…!」夢でも見ているのかと思った。それほどこの1年、ドーム規模の会場でライブを見るという行為は難しくなっていた。
何よりもその言葉には、ファンには到底計り知れない、“不要不急”と言われこの1年肩身の狭い思いをしてきたであろうエンタテインメントを柱とする企業の並々ならぬ思いを感じ目頭が熱くなった。

このドームツアーは、本来1/28(木)に東京からスタートする予定だった。しかしご存知の通りコロナウイルス感染症は冬に威力を増し、とても開催できる状況ではなく延期となった。延期日程は3/8~10の3日間。この日程も緊急事態宣言が出たことにより再延期となり、今回の3/10~12へと変更となった。(再延期後の日程はギリギリ緊急事態宣言が終了すると予想されていた日付だった。しかし、延長により結果的に今回緊急事態宣言下での開催となった。)
もちろん、私たちファン以上に主催側のLDH、そしてアーティスト自身がこの状況下でのドームライブ開催に賛否両論…いや、否定的な意見が多いということは当然知ってのことと思う。
世間からの厳しい視線、緊急事態宣言下での東京でキャパ半数以下とは言え大勢が集まる場所を作ること、エンタテインメントという一般的には生きる上で不要と言われるものをある意味強行するのは失うものも多かったに違いない。
もとよりEXILE系というのはそんなに好印象ではない。同時期にジャニーズはリアルライブを取りやめたことも更にEXILEがライブを開催することへの悪印象につながったと思われる。
それでも、それでもだ。企業もアーティストも生きていかなければならない。こちらの記事に書いたとおり、2020年は特別な年として多くのライブを予定していたLDHは、168公演の中止を発表し、公開されていなかったものも含めると200公演を超えていたと思われる。押さえていた会場の利用料、発注していたであろう数々のライブに関連するもの、人件費…その損失は素人には想像すらできない。
ずっとリアルでの企業活動を止めて、オンライン活動だけで利益を多くあげられるのはひと握りの企業で、関連業者や事業者含め大勢が路頭に迷うことなく生き延びるには再びリアルライブを実施し、グッズ販売なども含めて利益を上げる世界線に徐々に戻していく必要がある。恐らく今回のキャパでは赤字に違いないが、それでも第一歩を踏み出さなければ変えられないと感じていたのかもしれない。
「今はまだ早い」「なぜこんな状況で…」そういった声もたくさん見かけた。医療従事者の方々にかかる負担を思うと、理解できる部分ももちろんある。私のように独身一人暮らしの人間と違って、行きたくても行けない辛い思いをしている方もいるだろう。

しかし、私個人としては今回リアルライブ開催に踏み切ったLDHに心から感謝したい。1年以上奪われていた“現場”はやはり最高だった。何物にも代えがたい、素晴らしい体験はやはり生でしか味わえないとはっきり認識した。これが生きていく上で不要だというなら、私はもう死ぬしかない。
東京ドームで過ごした3日間、これまでとまったく同じというわけではなかったものの、止まっていた時が動き出したような気がした。当日、開催直前に中止になった2020年2月26日のEXILEライブ大阪公演の現地にいた方は余計にそう感じたに違いない。
ドームという大箱でライブを開催するにあたって、どのようなコロナ対策が講じられていたか次に詳しく記載しよう。

 

感染予防対策まとめ

事前

・緊急事態宣言下かつ直前での開催決定だったため希望者には払い戻しをするというアナウンスがあった

会場周辺

・物販列および購入列のソーシャルディスタンス確保
・グッズ列でも検温・消毒を実施していた模様(今回自分では並ばなかったためTwitterで見かけた情報)
・会場外にもスタッフを多めに配置し会場周辺でたむろっている人たちへの声掛け
・ライブツアーの看板掲示の取りやめ(普段であれば22ゲートあたりに撮影スポットとなるロゴなどが入った看板が掲示されるが今回は人が集まるためか何もなかった)
・ペットボトル以外の飲料および一切の食事販売の取りやめ(LDHはライブ会場で「出張居酒屋えぐざいる」という飲食の販売をいつもおこなっている、今回はそれも含めドーム内売店も一切販売をおこなっていなかった)

入場時

・座席ごとに5つに分けた指定入場時間を設け、できるだけその時間に入場するようアナウンス(時間もゲートも分散するため非常にスムーズに入場できた)
COCOAアプリ登録必須、入場時にスタッフに「陽性者との接触を確認する」ボタンをタップして問題ないことを提示
・検温実施(パネルの前に立って額で測るもの)
・2度の消毒実施(手荷物検査前と入場後、手が荒れてるので3日間死ぬほど痛かったw)
・マスクとフェイスシールドの配布(フェイスシールドの着用は強制ではなかった、マスクは必須)
・前後間隔を空けるようアナウンス、接触を避けるため右側通行の徹底

会場内

・場内入り口やお手洗いに消毒液の設置
・連番で取っていても左右1つずつの空席を設けてあり、座らないよう張り紙
・前後の列と互い違いになっていた(多分。空席も多くかなり間隔が空いてたいたので…)
・業務用ファンが設置され換気がガンガンにされており肌寒い(1日目の2階席は自分の列が3人しかいなかったこともあり寒くてコートを着るか迷ったほど。対策としては万全だと思う)
・歓声の大きさを計測しており、一定数を超えるとライブを中断するとアナウンス
・退場後はまっすぐ帰るようにモニターでの案内とメンバーからも言及があった(そもそもまともなお店は20時以降やってないが…)

ライブ中

・緊急事態宣言下のため1時間開演を繰り上げたこともあり16時ピッタリに開演
・スタッフはマスク+フェイスシールド着用、席移動や声を出している人がいると声掛け(2日目の前の席の二人組が結構悪質でずーっと大声で喋ったりメンバーに向かって叫んでたけどスタッフが来なくてそこの1点だけが今回残念だった…)
・リアクションは歓声ではなくフラッグ(冒頭に写真を載せた旗)と拍手で
・歓声ポイントを減らすためかカメラアピールするメンバーが少なかった気がする。する人もちょっと控えめに(1日目が特に顕著だった)
・バンドメンバーおよびメンバーの近くに寄るカメラマンのマスクorフェイスシールドの着用
・メンバーが乗るトロッコに巨大ファンがついており場内を周りつつ換気するという一石二鳥の作りになっていた
・メンバーが「皆さんも心の中で歌ってください!」「皆さんの思いが伝わってきました!」「楽しかった人は拍手してください!」などと口々に言っていた
・フリスビー、銀テ・金テなどは一切なし(紙吹雪もなかったな…?客が手にする可能性があるものは排除してたのか)

こうやって書き出してみると、1年前とはさまざまな点が変わっていて、開催にこぎつけるまで本当に苦労が多かったことと思う。満席にできない中、対策にかかる費用も多く、開催の実績を作るためとは言え…。
客側も声が出せないのは辛い部分もあったが(コーレスができないのが寂しい…)それでもここまでして開催した実績を無駄にしてはいけないとほぼ声を上げる人はいなかった。特に1日目と3日目は自分の周辺は皆無だった。

 

ざっくり3日間の感想

ここからは普通にライブの感想を。現場久しぶりすぎてどうやってレポ書いてたっけ……となったし、体力が落ちすぎてて3日間で相当消耗してしまったので簡単に😂昔はこのくらいは大丈夫だったんだけどな…コロナって怖い…。
TwitterにセトリやMC(挨拶)など詳細に書いてくださってる方がたくさんいらっしゃるので、知りたい方はぜひ「#RISINGSUNTOTHEWORLD」で検索してみてください。

1日目:スタンド2階11列(ほぼ真正面・やや上手寄り)

初日、午後休を取っており14時半ごろには会場入り。フォロワーさんに譲っていただいたチケットで、1年以上ぶり(2020年2月8日にナゴヤドームで臣隆を見たのが最後の大箱となった)にドーム規模の会場に入った。メインステージほぼ真正面、2階席の通路後ろという落ち着いて眺められる席だった。
エンドステージで中央に長い花道があり、バックにミニステージがあるという構成。トロッコは外周とC-D間を通るようだ。
16時開演ということもあり、暗転しても明るかった。この感じも懐かしいな…と思っていると、LDH恒例のストーリー調のムービーがモニターに流れて「ああ、ほんとにライブに来たんだ」と実感した。あんなに通っていた現場が、こんなに遠くなっていたことに驚いた。そして新鮮な気持ちでTRIBEメンバーが登場するのを眺めた。
EXILEを皮切りに、推しであるTHE RAMPAGE、続いてFANTASTICSBALLISTIK BOYZ、KING&KINGと来て、GENERATIONSまで一瞬一瞬が幸せで、ライブに来れた喜びを噛み締めていた。メンバーたちの表情がキラキラ、本当に嬉しそうで、彼らもこの1年耐えてきたんだろうなと思った。
THE RAMPAGEは登場でTYFツアーを彷彿とさせる花道に16人がずらっと並んで『THROW YA FIST』を披露し、「ランペだーーー!!!」とテンションがぶち上がった。あのツアー…楽しかったな……(埼玉とファイナルLVしか行ってない)
TRIBEグループのトリを務めたのは、私がLDHにハマるキッカケとなった三代目JSB。それまでは楽しさが勝っていたのに、三代目パートが始まるとなぜか急にこみ上げるものがあってひとりで少し泣いた。いい大人が、生でライブを見れたことを急激に実感して、感無量で涙が出るほどこの1年は苦しかったのかもしれない。三代目はとてもカッコよかった。オンラインライブも見たけど、生のパフォーマンスから感じる熱量は全然違っていた。
おそらくセトリのせいもあったと思う。1曲目こそ『RISING SOUL』だったが、続いて『J.S.B.DREAM』『R.Y.U.S.E.I.』(1番アコースティック(?)アレンジ)『O.R.I.O.N.』『Feel So Alive』『Yes we are』ときて、UMPツアーとRAISE THE FLAGツアーを思い出して……まさかあのころは、こんなにライブに行くのも難しくなるなんて思いもしてなかったな…と一気に走馬灯のように…(大げさ)『Yes we are』ほんとにいいなぁ。アレが一番涙腺に来る気がする。
19時過ぎに終演し、規制退場で呼ばれる順番も早かったため20時過ぎには最寄り駅に着いていた。なんだか夢見心地で、まるでコロナ前の世界が戻ってきたように感じた。

2日目:アリーナE10ブロック10列(花道上手・バクステ寄り)

ランペファンはアリーナ後方の花道横めっっっちゃくちゃオススメ!!!

花道の真横、幸せだった~~~陸くん推しなので、登場位置0ズレで…はぁ……入ってよかった。自チケでこれは過去例を見ない。『銀河鉄道999』ではしょへいつ絡みが目の前で可愛くて可愛くて可愛くてとんでもなかった。あの子たちお互いちょっかい出すタイミング見計らってるんよ……!!ほんとに最高。
ロッコが外周に来たときも近いし、メインステージも距離は遠いけど見やすいので期待以上の席だった。
ことあるごとにランペがよく見える位置で、なんか近すぎて目が合うんじゃないかと怖くて(大勢の中のひとりだよ安心して)これはこれで心臓に悪いなと思った。アピールとかできない😂
16時には間に合わず途中入場だったためEXILEパート中のアリーナ入場規制中はスタンド最前で待機でトロッコが超絶近くてそれも最高だった。。笑 ケンチさんめちゃくちゃカッコよかったぁあああ
この日はランペの翔吾くんとファンタの黎弥くんのお誕生日当日で、声を出せない&ケーキなども駄目だったため拍手でお祝い。LDHパフォーマーは基本マイクを持たないので声を聞けないのだが、ふたりから一言挨拶があって声を聞けて嬉しかった。
そして3/11は東日本大震災から10年ということでTAKAHIROさんが最後のあいさつでそれに触れ、今後もエンタテインメントと音楽の力で皆さんの心を明るくしたいと言ったことを話していた。

規制退場は呼ばれるのがかなり遅く、20時近くに退場した。余韻に浸りつつも体が疲れていることを感じ階段を上るのが少し辛かった……

3日目:アリーナA14ブロック7列(メインステージ上手のお立ち台前)

午後休で会場へ。久しぶりにお会いするフォロワーさんと近況報告しつつ(ケーポで悲しいことがあったからLDHに戻ろうかな……みたいな…笑 でもフォロワーさんも界隈で悲しい出来事があってオタクって大変だななどと思ったりした…)なんかこういう時間も久しぶりだなとよい天気のもと噛み締めたのであった。

3日目は、自名義でアリーナAを引くという。しかも一桁列。やるぅ。そして初めてお会いするフォロワーさんと連番!!!いつもひとりが多いので嬉しかった~。Twitterでずっとお話していたので、やっとお会いできたのも嬉しかった😍
1日目、2日目とはまた全然違った景色。メインステージが近いって素晴らしい!私はダンススタイルはファンタの堀夏くんと慧人くんが好きなのだが、たっぷり堪能できて最高だった。健二郎さんも目の前でしっかり見れたし、やっぱ生でパフォーマンス見れるって幸せ。
ロッコの乗り降りの目の前だったのもあり、メンバーのお手振りもたくさん見れたし、メンバーがキャッキャしてるのも少し見れて中央からかなり上手に寄ってはいたものの上出来な席だった。
3/12は三代目の登坂くんのお誕生日。3/11と同じく拍手でお祝いし、本人からひと言をもらう形となった。ハイローで雨宮兄弟役を演じ、登坂くんを溺愛しているTAKAHIROさんは「こんな状況じゃなければキスのひとつでもしたのに…」と言い、それを受けて「待ってます」と答える登坂さんを見守った…笑

初日に触れそびれたが、今回面白かったのはジェネの花道でのカメラを使った演出。『One in a Million』は曲自体好きなのもあり、彼女視点でメンバーを撮るというのが映像として非常に見ごたえがあった。手を取ったり、なでたり、ソファで見上げたり…よくジェネ推しの皆さんは歓声を抑えられたなと感心した。笑 あれはキャーって言いたかっただろうな。ジェネはメインステージでのパフォーマンスも見応え、聞き応えがあり、出演グループの中では唯一単独ライブに行ったことがないのだが(LVのみ)いずれ行ってみたいなと改めて思わされた。

余談

ど平日3日間の16時開演、普通の会社員ならほぼ無理なスケジュールだった…。
今回は水・金に午後休(現場のためにしか使わないため有給消化がまったく進んでおらず取らないといけない状態だったのが功を奏した)を取り、本当は木曜は夕方に打ち合わせが入っていたためチケット返金をしようと思っていたのだが、席が花道真横推しの登場バミリ位置ということでどうしても入りたくなり、無理やり早退をして途中入場という形をとった。転職前の会社だったら100%無理だったので助かった。先輩と上司には感謝してもしきれない。
とはいえ、普通にやってたら仕事が片付かないので、まず初日は6時半起きで支度を整えて、8時に勤務開始、お昼休憩取らずで13時に退勤し東京ドームへ。帰宅後仕事をして、1時ごろ就寝、2日目は6時に起きて7時に勤務開始(疲れてるのになぜか寝付けずほぼ徹夜だったのが辛かった)、お昼休みを利用して出社(会社からのほうが会場に近いため)、16時前に東京ドームへ。帰宅後さすがに疲れて0時過ぎに就寝、6時に起きて初日と同様に…… これもリアルライブならでは…しかし年取るときついなぁ。笑

 

さいごに:エンタテインメントは死んでいない

そんなこんなで心は満たされ、体は満身創痍で3日間を終えた。肩と腰が限界だ。
総じて、メンバーが「長く苦しい時間を経て、今日ステージに立てて、皆さんとお会いできたことが嬉しい」「感染対策をしっかりおこなって次に繋げられるように」と言っており、私たちファンはもちろん、彼らも待ちに待ったリアルライブだったんだなと感じた。TAKAHIROさんや登坂くんを始め、多くのメンバーが言っていた「皆さんに会いたかったです!!!」という言葉も心に残った。
3月終盤からは年下グループ3つのホールツアーも始まる。安全にライブを開催するには、私たちファンがルールを守り、事務所とアーティストの努力を無駄にしない行動をする必要がある。
何より、ツアーはここからが始まりで、完走することが大切な目標だ。私は今回は遠征するつもりはないが、どうか最後まで大きな問題なく、このツアーがファイナルを迎えられることを心から祈っている。
そしてこの実績が他の事務所のアーティストのライブ開催のキッカケになるとよいなと思う。エンタテインメントは死んでいない。私たちは音楽とパフォーマンスをリアルに体験する喜びを取り戻すことができる。