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【雑記】K-POPアイドルが音楽番組で1位を取ること:ONEUSだけが創り出せる『月下美人』という美しい瞬間

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番組公式Twitterより(左からソホ・レイブン・イド・シオン・ゴニ・ファヌン)

ONEUS(ワンアス、ワナス。ウォノスとも)が、本日『月下美人:LUNA』でデビュー後はじめて音楽番組で1位を獲得した。はじめてのアンコールステージ。最初笑顔でトロフィーを持っていたゴニくんが話しながら泣いているのを見てこちらも涙がこらえきれなかった。

もうこのシリーズも6記事目となるが、やはりK-POPのアイドルグループにとって、韓国の音楽番組で1位を取ることはひとつの到達地点であり、認められた証なのかもしれない。ライトファンのわたしが語るのはおこがましいが、ONEUSも本当に念願の1位であり、これまでなぜ獲得していなかったのかと不思議に思うほどの実力と楽曲のよさを兼ねそろえたグループである。ここから少し、今回の1位についてにわか知識ながら語らせていただきたい。

ONEUSは、MAMAMOOと同じRBWに所属している6人組のボーイズグループで、2019年1月9日にデビューしている。Wikipediaによると2017年にはグループ結成のプログラムが動き出し、2018年7月には日本でデビューイベントも実施。メンバーのうち2名(ファヌンくんとゴニくん)はプデュに出演経験あり、別の2名(RAVNくんとイドくん)はミクナに出演経験あり、さらにソホくんはプデュとミクナ両方に出演経験ありという。
メインダンサーのファヌンくんは、SEVENTEENのメンバーであるドギョムくんとスングァンくんと練習生時代を少し一緒に過ごし、彼らのVLIVEで「(ファヌンは)情熱があり、ダンスがうまくて…」と言及されたこともあるそうだ。

K-POP初心者のわたしがONEUSの存在を知ったのはまったくもって偶然だった。
2020年1月にK-POPを知ったわたしは、しばらくYouTubeで「K-POP 人気曲」といった検索ワードでファンが作ったプレイリストを探しては聞いていた。そこで「この曲めちゃくちゃ好き…!!」となったのがONEUSの『LIT』だった。彼らの代表曲と言ってよいだろう。

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過去約1万5千文字×3記事を費やして語った、Mnetで2020年に放送された「Road to Kingdom」(以下、ロトゥキン)を見たのもONEUSが出演すると知ったからだった。と言ってもメンバーの顔をなんとなく分かっている程度で、MVは見て、他にもいくらか曲は聞いていたがステージを見たことはなかった。
それでも誇張なしに全楽曲よく…TMIもいいところだが、わたしが2020年にApple Musicでもっとも再生したアーティストの2位にONEUSがランクインしていた。リモートワークのお供と言ってもよいほどだろう。それほどよく聞いているグループだ。昨年11月28日に無観客で開催された「1st Ontact Live:CRUSH ON Ø US」のLVを見るためにお台場の映画館まで行ったのも懐かしい。対面ではないがあれは久しぶりの現場だった。

正直なところロトゥキンでの彼らの順位は全体的にあまり奮わなかった。1度『LIT』をアレンジしたステージで2位を獲得したが(ステージ動画はこちら)他は低迷し、脱落こそしなかったものの途中危ない順位であったことは番組を見ていた人は記憶にあることと思う。
しかし、彼らのステージが何か劣っていたのかと問われると100%全力で「No」と言いたい。『LIT』しかり、今回1位を獲得した『月下美人』しかり、韓国のトラディッショナルなコンセプト消化能力がとてつもなく高いONEUSは、ONEUSにしか表現できない独自の“色”を持っている。

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活動初週一発目となるM COUNTDOWNのIntro+月下美人のステージはぜひ見ていただきたい。

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一方で、デビュー曲であるダークさの中にも軽快なビートを感じる『Valkyrie』、メロディアスな『A Song Written Easily』、強烈なインパクトのある『No diggity』『Shut Up 받고 Crazy Hot!』、ファンキーポップでMVも明るく楽しい『BBUSYEO』、楽曲・振りともにマイケル・ジャクソンをオマージュした『BLACK MIRROR』……とにかく書ききれないほどのさまざまなコンセプトをONEUSならでは感を残しながら、見事に完成させてきた。

ONEUSを「舞台天才」と表すメディアの記事をよく見かける。まさに、と思う。音楽番組を見ていて、まったく彼らを知らない人でも思わずステージに見惚れた人はいるのではないだろうか。今回の『月下美人』のステージは、第一印象で「美しいな」と思った。しかし途中のダンスブレイクでは、荒々しく、決意の現れのような力強さも感じられる。扇子を使ったパフォーマンスは目を引くが一歩間違うとバラバラに見えかねない。それを彼らは優雅に操り、舞台をより魅力的にしていた。個々のスキルが高く、全員が踊りも歌も見劣りしないからこそ成せる技だ。今日のアンコールステージもとりわけソホくんの安定した生歌が印象的だった。
わたしの少ないK-POP知識の中で申し訳ないが、このコンセプトをONEUS以上によくこなせるグループが思いつかない。それほど彼らは多様なジャンルに挑戦しながらも“ONEUSらしさ”を着実に築き上げてここまでやってきた。

彼らが1位を取ったSHOW CHAMPION(通称、ショーチャン)は最近アプリの事前投票の仕様が変わり、1日100票(1票で3ハート消費)を上限に4日間実施され、お恥ずかしながら満票を入れることはできなかったが、微力ながら投票をおこなった。そして久しぶりにgenieの利用券を購入しスミンもわずかばかりやっておいた。もちろん音盤・音源・MV再生数・出演点と複数項目トータルの結果ではあるが、やはり「やっておけばよかった」より「少しでもやっておいてよかった」と言えたほうがいいなと改めて感じた瞬間でもあった。
※なぜこれをアピールしておくかというと、熱心に投票やスミンをしてきたTOMOON(ONEUSのファンネーム)の皆さんに、外野がこのような記事を書くことを1ミクロンでも許していただこうという考えなんですが……😂

こうして見ると他の候補はショーチャンに出演しておらず、出演点が0点というのも大きかった。1位獲得にはリリースタイミングが非常に重要になってくる。候補を見て分かるとおり、TWICEもカムバしており、また音源点が高いIUさんもいるため地上波(特に土日)で候補にあがるのは厳しそうだということが分かる。

タイトル曲である『月下美人』は、11月9日にリリースされたONEUS 6枚目となるミニアルバムに収録されている。今回初週で17万枚を突破し自身の記録を大きく塗り替える結果となった。大衆が聞いてULが伸びる可能性の高いガールズグループとは異なり、比較的音源点の獲得が難しいボーイズグループにとって、安定して音楽番組で1位を取るためには音盤の売り上げを伸ばすことは重要課題である。

この記事を書くにあたって、遅まきながら『月下美人』の歌詞を和訳をしてくださっている方の記事も参考にしながらじっくり読んでみた。そしてONEUSにとって“月”が重要なモチーフであることを改めて認識した。
切ないストーリーが綴られた歌詞はまるで舞台でそれを演じる様子が目に浮かぶようで、起草される情景とONEUSの披露するパフォーマンスが寸分の狂いもなくわたしの感性を満たしてくれる。彼らもこの『月下美人』にかけていたのではないか、1位をいつにも増して強く欲していたのではないかと思わされた。

1位を獲得したのは今回が初となるが、これまでの活動でも1位候補に入ったことは何度もあった。自分が見てきただけでもTHE SHOW、SHOW CHAMPION、M COUNTDOWN、地上波でも数回見かけている。実は音楽中心では5位、人気歌謡では1位候補となったこともある。(どちらもボーイズグループが上位になるのは難しい)

過去このブログでは何度も音楽番組で1位を取ることについて語ってきた。韓国の音楽番組は視聴率が低く(そもそもK-POPというのが国内においてそれほど大衆には聞かれていないという背景もあるらしい)放送時間も夕方早めの時間で、あとでYouTubeに高画質の動画が上がるのでリアルタイム視聴する人はおそらく少ない。国内に限って言えば、本当に一部のK-POPファンが見ている状態だろう。
それでもデビューから2年10か月が経ち、3年というひとつの区切りが見えてきたころ、こうして1位を獲得して涙ながらに喜ぶ彼らを見て心から嬉しく思った。放送後に退勤の車内でVLIVEをおこなったのをリアルタイムで見ていたが、みんなまだ興奮冷めやらぬ様子だった。韓国語が分からないので内容の理解はできていないもののトロフィーをカメラにアップで映したり、初めての1位についての感想を述べているであろう様子を見たりした感じでは、この初めての1位が“特別なものである”と伝わってきた。

www.vlive.tv

はじめての1位は本人たちはもちろん、きっとファンも忘れられない瞬間になる。ロトゥキンで知ったONEUSのステージの魅力、短期間ではあるが今日ここまでの活動で知ったONEUSの楽曲の魅力…数多くのグループが存在する中で彼らと出会うことができてよかったと思う。そして、ここからさらに飛躍していくであろう彼らの未来へと続く道が、美しい月明かりに照らされた花道であるようにと願う。
最後に、今年頭にリリースされた1stフルアルバム「DEVIL」からわたしがもっとも好きな楽曲『Rewind』を紹介して、この記事を終えよう。

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