The same Rainbow

LOVE DREAM HAPPINESS を追いかけて

【雑記】ユーザーの“買わなかった”を分析する:推しが表紙の雑誌、なぜ私は最後の「購入確定」をためらったのか?

だいぶ前に書き始めて中途半端に置いてたんですが、年末に向けてそういう記事を途中でもいいから放出していこうと思って投稿します。笑 仕事の記事だとそうはいきませんが……趣味なので…まあ肩の力抜いていこうや、ということで。

 

オタクというのは欲深いもので、公式から新しいグッズ情報を提示されるや否や「買います!!」と高らかに宣言してしまいますよね。
しかしながら私含め一般的な収入で生活している普通のオタクが趣味に使えるお金や時間は無限ではありません。富豪でもない限り多くの場合、常に「買う」「買わない」を選択してオタ活をしています。

このブログでは度々ユーザーがお金を出すのはなぜかを考えてきました。基本的にマーケティングというのは、ターゲットとなるユーザー(層)をリサーチし、商品やサービスを通してそのユーザーのニーズに合った価値を提供をすることを考えます。やや乱暴かつ少し嫌らしい言い方をすると、どうやったらお金を出してもらえるかを考えるといっても間違いではないでしょう。
しかし、今回考えたいのはなぜ買わなかったのか…つまりなぜお金を出さなかったのかについてです。実はマーケティング領域でも買わなかったユーザーの心理や行動を分析することは、サービス改善に効果的という見方は以前からあります。

参考記事:
「買わない理由」を売上アップにつなげる店頭プロモーションとは 
「売れなかった」ハムサンド、カメラ50台で真相解明 高輪GW駅「無人決済コンビニ」の実力

…と、ちょっと仰々しく始めてしまいましたが、今回は私が実際買わない選択をした例を3つ挙げて、それをもう少し深堀りして『買わなかった人分析マーケティング』のさわりをしてみたいなと思います。軽めのコラムとして暇つぶしに読んでいただけたら幸いです。
また、「買わなかった」ということで若干ネガティブな表現がある場合があります(もちろんdisとかではありません)ので、ご了承いただいた上で読んでいただければと思います。

※毎度ながら私はただのライターで、勉強がてらこういったテーマの記事を趣味で書いているしがないオタクです。おかしなこと書いてるなと思われた方はTwitter@aica_skz__)かこの記事のコメント欄からご指摘お願いします。

 

事例1:ケミオタクはセットで買えないなら両方買わない

これはウォーミングアップ的なネタ話ですが…笑 Twitterを見てくださってる方はご存知のとおり、私はStray Kids(以下、スキズ)だとヒョンジンくんとリノくん、SHINeeだとミノさんとキーさんといった感じでコンビ(K-POP用語ではケミ)で推すタイプのオタクです。
そのためどんな些細なものでも「それ買ってどうするの?」という実用性のないものでもやや高価なものでも…とにかくふたりセットになるなら必ず購入します。最近でいうとSKZOOのぬいぐるみとその子たちの衣装とか、13周年記念のアクセサリーとグラスとか…。bubbleもこの4人を購読しています*1
グループでグッズが出るときは片方しかないなんてことはあまりないんですが、稀にそういった場合、どちらも買いません。ふたりとも好きなら片方でも買えばいいのにと自分でも思うんですが、セットじゃないなら要らないなと思うんです。不思議ですよね……。

セットで買うことに喜びを見出す。もうちょっとそれらしく言うと、セットだからこそ価値があると思っている。このユーザーニーズはたぶんニッチ寄りなのであんまり考慮しても仕方ないですが、こういうユーザー思考もないとは言い切れないんですよね。特にK-POPファンって単推し層と同じくらいケミ好きや箱推しも多い印象がありますし。
売る側にとっては、セットにできるなら単推しより2倍お金を使ってくれる人だけど、片方だけなら一切お金を使ってくれない人です。なんて面倒くさいんだ…!笑 この例だとあんまりですけど、「ニッチに思えて意外にお金を使ってくれる層」をうまくつっつくと企業としては儲けられるかもしれません。

 

事例2:スキズの特典がつくCLIOの化粧品を買わなかった

スキズがCLIOのモデルを務めていたとき、アイシャドウなどいくつかは買ったんですが、まあ推しのトレカを自引きできない×n回みたいな感じで疲れちゃって。ということで、ふたつめはユーザーが購入時に「買わないメリットが買うメリットを上回る」と思ったときの例です。その前提として、国内外オタクが常に悩まされている……

ランダム商品

について触れておきます。

これ売る側からしたら人気キャラorメンバーの在庫は多めに~とか、でもどのくらい生産したらいいか読みがな~とかもないし、製造過程でも(たぶん)どの箱or袋に誰が入ってるかとか意識しなくていいから楽なんだと思うんですよね。
あと、それ以上にとにかく売れるんだろうなと思います。あっちもこっちもランダムだらけですもんね。特典くらいならいいかなー…と思いつつ、ランダムトレカとかってもう商品そのものがランダムじゃないですか。ガチャと一緒で推しを自引き(自分で引く)したい真理も働くから「推し1枚買えばいい」より「とりあえず10枚買って開封するか。推し入ってたらいいな」のほうがユーザーはお金を使うことは明白です。

↑はスキズのランダムトレカが出るとなり、LDHでJr.EXILE(若手4グループの総称)のラントレがあったな~というのを思い出したときのツイートですw

実は(?)私はソシャゲのガチャ中毒だった時期があり(欲しいカードのためにものの10分ほどで15万課金したり…)こういうの嫌いではないほうなんですが、ランダムってその金額にリターンが見合わないなぁと思うこともよくありますよね。
そこで公式にお金を落とすという意味ではよくないのは重々承知ながら、メル○リとかに手を出すわけです。どうせ何万円分買っても推しが引けないのなら、多少割高でも推しが確実に送られてくることが分かるものを買えばいいと。ユーザーをこういう思考に落としてしまうのって売り手の敗北なんですかね……?でもそれを補ってあまりある魅力(稼ぎ)がランダム商品or特典にはあるからなくならないんだろうなぁと思います。

ちなみにNACIFICは律儀に買ってます。1つ買ったら2枚ついてくるとか、セットで買ったら4枚ついてくるとか、ランダムでも購入者の心をくすぐる塩梅がうまいなぁと思います。あと、ちょっと高めの商品の特典は選択できるようになってるとか。まんまと2人選べる特典で事例1の推しケミを選んでホクホクになった私でした……😂
同じ「推しの特典がついてる化粧品を売る・買う」ですけど、推しのビジュだけでなく、特典のつけ方や宣伝の仕方で買う・買わないの判断って感覚的にやってるんだな~と改めて思ったりしました。

 

事例3:SHINee表紙の雑誌を購入確定しなかった

実はこの記事を書くきっかけとなったのが、自分のこの行動でした。こちらの記事で書いたとおり、当選したヨントンが理由もわからず突然中止になり、それ以来私のSHINeeに対する気持ち(といっても超絶新規ファンなのでたった半年もないほどの気持ちですがw ファンになって一番熱が高かったときの出来事だったので堪えたというのがあります)もすっかり落ち着いてしまい……。
ただ、この雑誌は表紙のビジュアルもすごくよくて、日本語訳がついた紙も入るということで情報を見てすぐYahooショッピングに行って(SBユーザーなのでポイント使える)カートに入れて配送先を選択してカード情報を入力してあとは「確定」ボタンで購入完了…のはずだったんですが、そのひと押しをためらったんですよね。なんかふと「こんな高い送料払う意味あるのかな」って思ったというか。韓国のものでも雑誌自体そんな高くないんですが、送料がすごく高いじゃないですか。それを払えるかどうかって結構気持ちの部分が多いんだなーって😂

「買う」って衝動ですけど、どこかでその衝動が迷いに変わって「買わない」って判断になることを今回しみじみと感じました。リアル店舗とネット店舗の違いって“ユーザーに考える(≒迷う)すきを与えるところ”っていうのをマーケティングセミナーで聞いたことを思い出して、たしかになぁって。リアル店舗に買うぞって気持ちで来て、目の前にその商品があって手に取ったらやっぱり殆どの場合は購入に至る気がするんですよ。でもネットだと考える隙がありますし、購入確定ボタンまで何ステップかありますもんね。
「買う」は衝動って書いた直後に若干矛盾するんですが、思わず買っちゃったものって、そのときは反射的でも背景には自分のオタク心がくすぐられたり気持ちがものすごく惹かれたりするための土台があると思うんです。だからその土台が揺らぐと、確かなものだったときは迷わず確定できていたのが、できなくなってしまう。ファンをいかに冷めさせないか、幻覚を見せ続けられるかっていうとアレですが…笑 推しとなり得る対象があふれてる今、そういう仕掛けも大事なのかもしれないですね~。

 

「人生は選択だ」なんて言葉がありますが、限られたお金と時間の中で、オタクも常に選択を迫られています。私はTwitterでも「いかに気持ちよくお金を出させるかをもっと考えてくれよ~」とか書くんですが(嫌なオタクだな)それは自分がコンテンツやサービスを提供する側の仕事をしてるからというのもあります。
同じお金を出すなら得られるメリットが大きいほうを選びます。1冊の雑誌、1つのアクスタ、1枚のラントレはそんなにどれも値段は変わらないかもしれません。でも「このグループに今お金を使っても、過去にああいう仕打ちを受けたから、将来またあるかもなぁ……」というぼんやりとした不安があると迷いが生まれます。根に持つタイプだからかもしれませんがw 脳裏にチラつくんですよね。あのとき不幸にも同じ経験をした全員がこういう思考になるとは言いませんが、少なからず気持ちが落ち着いた方も見受けられました。そして一度そういった状態になるともとの熱量に戻すことは不可能です。これはサービスを提供する立場として、絶対に避けたい事態だなと思いました。
もちろん彼らの事務所は大企業で、私が所属するベンチャー企業とは比にならないお金を動かし、利益を上げています。でも未来永劫安泰かどうかは……分かりませんから。

*1:SHINeeに関してはヨントン中止のあれこれでかなり落ち着いてしまい2021年10月26日現在はキーさんのみ購読中です。